1日目 |
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宇都宮 −高速バス・マロニエ号→ 羽田空港 |
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羽田 → 女満別 |
2002/08/10 |
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女満別 → 美幌 → 清里 |
75.61km |
社会人になり、一度はやめかけたツーリングの世界に復帰だ。今年の冬の北海道スキー、春先から火がついた自転車熱、ライダーデビューの会社と大学の同期。俺の夏はこれしかないとばかりにチャリ旅に駆り立てられた。
しかしサラリーマンとしてのツーリングの準備というのは楽ではない。当然休みの日は限られているので、できるだけ時間を作りたい。そのためであれば、交通手段に出費は惜しまない。準備に徹夜をすることも厭わない。徹夜で準備をして仕事をこなし、帰宅後に準備。寝てしまうと寝過ごす危険があるので、そのまま起き続けてパッキング。
朝イチの飛行機で飛ぶためには夜行の高速バスで行くしかない。夜1:30宇都宮駅に向かう。暴走族がロータリーを走り回っている中、自転車をばらす。夜中の輪行なんて久しぶりでわくわくしてきた。
バスに荷物を積み、席に着いたら速攻で眠った。ここで睡眠時間を稼ぎたい。隣の席の男が寝相が悪く何度も起こされる。運が悪かった。朝5:30に羽田空港に到着。
飛行機を待つ間、何度も寝落ちしそうだったが、コーヒーを飲んだり、大音量で音楽を聴いたりして目を覚ました。何とかフライトの時間までもたせて、飛行機に乗った瞬間、大爆睡。
目が覚めると、窓の外にパッチワークのような女満別が見えてきた。一気にテンションは上がる。そして着陸。荷物を受け取り到着ロビーを出ると、寒い。半端じゃなく寒い。今年は寒年&雨年というのはここ最近の天気予報具合で察しはついていたが、ここまで寒いとは思わなかった。真昼なのに17℃しかない。
空港で会うチャリダーと言うチャリダー 全員が「寒い」と言う。何とか天気だけでもよくなってくれと願う。自転車をくみ終わり、寒さとテンションの上昇で釣り合いを保って出発。サラリーマンサイクリストとして新しい旅立ちだ。学生の頃より、「旅人」になったような気がした。
昔走った懐かしい道を美幌に向かう。単調な幹線道路だが、チャリダーとして復帰した喜びをかみしめながら走る。快調に20km走り切り、美幌に到着。美幌の町中にHOMACがあるので買い出し系はここで済ませられる。飯もここで食える。買い出しと昼飯だ。少しはうまいものでも食いたかったが、セイコーマートがHOMACのすぐそばにあったので、そこで昼飯にした。セイコーマートの弁当もコンビニとはいえ、なかなかうまいものだ。 |
美幌から女満別を抜けて清里を目指す。パッチワークのような丘、プチ美瑛といったところだろうか。広々とした道。一見単調で平面的な景色に見えるが、俺だけは自転車と肉体で傾斜を感じていることにより、立体感を楽しめる。北の大地をわたる風。やはり自転車は究極の旅の手段に違いない。
サイクリストの喜びを味わいながら、とりあえず今日の目標地点の清里に到着。徹夜明けに75kmも走りきれば立派なもんだ。温泉で体を癒し、スーパーで総菜を買って、公園でテントを張り夕食にした。まだ酒を飲むのはやめておこう。
とにかく今日は旅人としての復活、サイクリストとしての復活の喜びを全身で味わった一日だった。 |

清里の道道
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2日目 |
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清里 → 神の子池、裏摩周 → 開陽台 |
109.98km |
2002/08/11 |
天気が悪い。今日は裏摩周なのだが、この天気では湖面は見えないかもしれない。残念だが、開陽台と神の子池に期待だ。まだ、走る喜びがあるのでOKだ。清里でジャガイモ焼酎の醸造所を見学…しようと思ったら閉館。天気の悪い日の楽しみは見学、グルメ、近景だが、1個つぶされた。 |
裏摩周への道を上るにつれて徐々に天気が崩れ、雨も降ってきた。気温もどんどん下がってきた。神の子池だけなら、どれだけ天気悪くても楽しめそうだから、耐えて走った。神の子池への林道が見えてきた。前方にブロックタイヤのMTBチャリダー発見。頑張って追ってみた。ダートでの勝負ならMTBの方が有利なはずだが、ぐんぐん追い上げてついに抜いた。俺もまだまだイケる。
そんなに上らされるわけでもなく神の子池に到着。神秘的な青い湖面がいい。とにかく水がきれい。ただ、評判ほどの感動はなく、意外と池が小さい。 神の子池から裏摩周への分岐の峠まであっという間に着いた。時折、気をもたすような晴れ間がちらついているが、相変わらず天気は悪い。あまり期待せずに裏摩周展望台を目指した。峠から展望台までいきなりきつい坂が始まった。平地か下りとなめてただけに痛い。
長く感じてしまう3kmを走り駐車場に到着。先着のチャリダーが2人居た。昼飯を食いながら話しかけてみる。天気悪くて湖面無理そうですねぇと話をして、一応、駄目元で湖面を見に行った。その瞬間奇跡が起こった。なんと、霧の間に摩周湖の湖面が見えている。雲の切れ間から光が差している。湖面の色はわからないが、とりあえず湖面は見えた。表摩周と違って展望台が湖面に近いので見やすいのだろう。これでまた婚期がのびた。 |

神の子池
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奇跡の一枚!!
裏摩周展望台からの霧の摩周湖
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2人のチャリダーも、今夜は開陽台を目指すようなので、一緒に走ることにした。合流してから、天気もよくなってきた。きれいな丸っこい山の牧場に感動。途中、牛乳を飲んだりしながら開陽台を目指す。 一緒に走った女のこには無理をさせてしまった感があるが、かなり快調な走りで開陽台に到着。最後にきっつい坂を上ると、中標津の平野が見渡せる。噂通りの地平線だ。しばらく見とれてしまう。自転車から荷物を下ろし、階段を歩いて上ってキャンプ場まで運ぶ。 |
テントを張り終わると日が傾いてきた。すると夕日が隣の山の方に見えた。感動的な景色だ。空気が澄んでるからだろうか夕日の赤が鮮やかだ。
ナイトランで風呂に入りにいくことにした。中標津まで往復25kmだが、風呂には入っておきたいし飯の買い出しもしたい。今日は、そんな余力もある。しかし、走ってみると意外と遠い。 すっかり日も暮れた19:00に温泉に到着。飯を中標津で食べて20:00に帰りの道を走り始めた。すっかり、真っ暗になった道。街灯も民家も何もないので、ホントに暗闇だ。目が慣れても見えるようにはならない。頼りないライトで前を照らして、霧も立ちこめる道を戻る。これが一人だったら、ちょっとイヤかもしれない。 |

開陽台 夕焼け
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最後に、開陽台の展望台への坂を上る。寒さもあって汗をかかない。今日は余力もあって上れてしまう。暗いせいか傾斜も気にならない。上るにつれて霧が晴れてきた(霧より上に上がった)。すると頭上には、もの凄い数の星が見えた。こんなすごい星は、今まで羅臼のキャンプ場、佐多岬、以来だ。しかも空が広い。北海道と本州のスケールの違いを感じる。 |
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3日目 |
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開陽台 → 中標津 → 弟子屈 → 屈斜路湖(和琴) |
97.96km |
2002/08/12 |
一緒に走ってるチャリダーに、起こされた。景色がすごいとのこと。眠くてしかたなかったが寒いテントの外に出てみると、一瞬で目が覚めた。地平線に霧が立ちこめていて、その向こうに朝日が昇り始めている。朝焼けにオレンジに染められている大地と霧とオホーツク海。こんなに、美しいものを見たことはないので驚いた。辺り一面の地面に這うような霧と地平線。胸を打つ絶景だ。
美しい景色の余韻にひたりながら朝食の準備。今日は、鮭とばの炊き込みご飯だ。ご飯に鮭とばを入れて炊いてみた。失敗。チタンコッフェルは無惨に焦げ付き、鮭とばは全く柔らかくなく出汁もでていない。ご飯と鮭とばという感じだ。 出発しようとしてメーターを無くすトラブルに巻き込まれたりしたが、こんな天気と景色を目の当たりにして、あわてることもなく、気楽に出発。開陽台名物の直線道路を全力ペダリングで下り、楽しんだ。
中標津でこれから日本一周に旅立つチャリダーとお別れし、俺は市内の方を目指して走り出した。たまには人と一緒に旅をするのもいい。なるべく積極的に人と関わり合う旅にしようと決めた。やはり、昨日は絶好調とはいえ、疲れが残る形になりアップダウンに苦しんだ。中標津市内で、回転寿司に入った。サーモン以外はイマイチだった。
北海道らしい牧場を眺めながらアップダウンに苦しめられ楽しまされて、摩周に着いた。今から阿寒横断道路に上る元気はない。摩周でキャンプしてしまうには早すぎる。やはり、俺は湖畔キャンプが好きなのであと10km先の屈斜路湖を目指すことにした。摩周で夕食の買い出しだ。無性にジンギスカンが食いたくなったので、ジンギスカンを食うことをコンセプトに夕食の組み立てをした。100円コーナーにジンギスカン鍋も発見。もう方向性は決まった。肉を買って袋に氷を詰めてビールを詰めて出発。 日が傾きかけた頃、和琴に到着。湖畔はテントであふれかえっていたが、何とかファミリーとファミリーの隙間に張らせてもらい、宿を確保。米をといで水を張っておき、露天風呂の温泉に入りに行き、洗濯物を洗濯機に放り込んで、夕食開始だ。すばらしい段取りだ。
今まではフライパンで無理矢理ジンギスカンを焼いていて汁だらけになっていたが、100円の鍋でちゃんと汁と肉が別になっておいしいジンギスカンが食える。しかし、どうあがいても100円だ。すぐ焦げ付く。どうあがいても焦げ付く。飯を食いながらビールを飲んでると、隣のテントの子供が遊びに来た。意外と子供ウケするキャラなのだろうか。
すると雨が降ってきたのであわてて飯を食って洗濯物を引き上げて眠りについた。 |

開陽台 朝日
雲海の向こうは国後島
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朝の太陽に照らされる
大平原
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開陽台 北十九号 直線!!
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100円のジンギスカン鍋
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4日目 |
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屈斜路湖(和琴) → 弟子屈 → 阿寒横断道路 → 阿寒湖 |
61.86km |
2002/08/13 |
朝っぱらから天気は悪い。隣のテントの子供と話ながら撤収だ。子供が湖でザリガニを捕まえて遊んでいたのだが、本州とは比べものにならないぐらいでかい。しかも赤いアメリカザリガニではない。正直驚いた。しまいには両親とも仲良くなって、暖かく見送られながら出発。意外とファミリーウケする一人旅の男だ。(なぜだろ?)
天気が悪いので、寒く、筋肉が暖まらない。だべってたせいで出発が遅れたので11:30に弟子屈に到着。セイコーマートで1時間休憩して体を温めて阿寒横断道路の峠に向けて出発。
昔、下りを満喫した坂だから、どんな道かだいたいわかっている。じりじりと長い登りが続いて、ワインディングで一気に上るはずだ。。。と思っていたが、じりじりとした登りはほとんどなく、平地が続いたあとに、急なワインディングが始まった。結構な峠を覚悟していたが、いざ上ってみると本州の峠になれているので傾斜はさほど感じない。筋肉が暖まってきて、走りにキレが出てきた。手が冷たいのと上半身が寒いの以外は、今のところ死角はない。
土砂降りの雨の中、あっさりと双湖台(峠)に着いた。峠のドラインブインで暖を取ろうと思ったら閉店してる。自販機でホットのドリンクでもと思ったら自販機もOFFってた。なきそうだ。もちろん湖も山も全く見えない。とにかく寒いしつらいので気合いで阿寒湖に下る。下りでスピードが上がると全身が冷えてきた。手先、足先がかじかんで感覚がなくなってきた。体の芯まで冷え切った時に、阿寒湖畔に到着。
土産物屋で軽く暖を取って、ライダーハウスをキープしに行く。割とあっさりと取れた。そのまま、阿寒温泉で風呂に入り、夕食を食いに行く。アイヌコタンで鹿料理とビールですっかり酔っぱらった勢いで土産物屋に行き木彫りのキーホルダーとケータイのストラップを買った。意外と渋くていい。すっかり気に入ってしまった。
宿に戻るとライダーさんが買ってきた厚岸の牡蠣とビールで飲み会だ。楽しい宿で大好きだ。 |

屈斜路湖畔 和琴半島
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ひまわり畑
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阿寒湖温泉 アイヌコタン
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5日目 |
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阿寒湖 → 足寄峠 → オンネトー |
33.01km |
2002/08/14 |
昨夜が絶好調すぎて、AM9:00に起床。朝食をいただいて、犬と戯れながら準備して出発。ゴアとか荷物もすっかり乾いている。天気もいい。
走り出すといきなり登りだが、傾斜は大したことはない。今日は、会社の同僚と合キャンでオンネトーまでしか走らないので楽勝だ。安息日としてはちょうどいい。インナーギアを使うこともなく登り切った。
下りの途中で、白藤の滝に入る林道があったので入ってみた。アブの数が半端じゃない林道だ。何とか耐えながら滝を見に行ったが、昨日の雨のせいか水が濁っていてイマイチだった。滝から国道まではアブとの戦いだった。追い払う、ダッシュで逃げ切るだけに限界を感じ、虫除けスプレーを直噴、蚊取り線香乱れ焚きにしたが、煙と薬がないところは、容赦なく咬まれる。
国道からオンネトーに上る道へ入る。道はきれいで、その向こうには雌阿寒岳と阿寒富士が見えている。これだけ天気がよくて山がきれいならば気持ちよく走れる。傾斜があっても許せる。
登り切ると、エメラルドグリーンの湖面が見えてきた。かなり透明度も高そうだ。風もなく湖面が美しい。湖面に向こうの山が映っていてきれい。眺めに来る旅人と話しながら昼食をとり、湖沿いに奥の方へ移動。場所によって湖面の色が違って見える。それにしても、神秘的という言葉が合う雰囲気だ。 4:30頃、テントを張っていると、会社の同僚も合流。さすが、ライダーだ。バーベキューセットを買ってきた。今夜は豪華な飯になりそうだ。全員テントを張って湯の滝を見に行く。黒いマンガンの岩を湯の滝が流れていて、滝壺に誰かが放したと思われるグッピーが居る。風呂もカムイワッカとちがって観光地化してる雰囲気がありイマイチだ。
夕暮れの湖を眺めた後で、風呂へと移動した。露天風呂、内湯どちらも雰囲気がよく泉質もよく満足。なんだかんだですっかり遅くなり、明かりの全くない湖沿いの道をラインを頼りに走り、キャンプ場に戻る。
炭がおこせたとこで、飲み会開始。やはりバーベキューと焼き牡蠣は最強。ソロキャンパーの憧れだ。それにしても、バーベキュー1回でコンロの底に穴が開いたのには驚いた。 |

白藤の滝
アブが多い・・・
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オンネトー湯の滝
滝壺には熱帯魚が泳ぐ
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オンネトーと雌阿寒岳と阿寒富士
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雌阿寒岳・阿寒富士
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6日目 |
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オンネトー → 阿寒湖 → 鶴居 |
91.50km |
2002/08/15 |
昨夜も絶好調だったので、寝坊気味にAM10:00に出発。出発してすぐ、遊歩道を上り、展望台へ行った。展望台って名前の割には木がジャマで見渡せない。今日は、風もあって湖面は波立っていてイマイチだ。軽く眺めながら通り過ぎ、足寄峠を越えて阿寒湖畔へ。
アイヌコタンのポロンノで昼飯にした。ジャガイモを干して焼いたポッチェという菓子が、ジャガイモとバターの風味が濃くて、香ばしくてモチモチしていてうまかった。すっかりハマってしまった。しかも寒いところの保存食だからだろうか元気が出るような気がする。
大好きな阿寒湖畔の街を離れ、釧路方面に下り始めた。鶴居まで下り一辺倒で楽勝だ。割と水がきれいな釧路川沿いに気持ちよく走る。見落としそうな分岐を左折して鶴居を目指す。ようやくアップダウンが始まったが、昨日の安息日が効いて体がキレているので楽勝だ。国道から道道に入ると、坂の上から牧場を眺める北海道では当たり前の景色が美しい。とは言え、ここ3日ぐらい、そういう景色から離れていたので、ちょっと新鮮だ。
楽勝のうちに鶴居のキャンプ場に到着。風呂はキャンプ場の隣にある。しかしコインランドリーが近所にない。一山越えたオートキャンプ場にあるようなので、そこまで走る。山越えの途中で斜面からエゾシカが駆け下りてきて、驚いた。
オートキャンプ場で洗濯しながら充電ものの充電もこなした。ちょうどいい補給になった。ここの乾燥機は電気なので1時間半もかかって、すっかり日が暮れてしまった。ナイトランでキャンプ場に戻ると、キャンプ場の近くのA-COAPは閉店していた。
キャンプ場の隣の学校の盆踊りの提灯が霧にぼやけていて、何とも不思議な風情だった。 |
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7日目 |
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鶴居 → コッタロ湿原 → 標茶・塘路湖 |
59.72km |
2002/08/16 |
今日は朝から晴れていて暑い。鶴居から農道を走ったらアップダウンとアブが多く、10km/hを割ると刺されるという悲惨な状況になってきた。摩周湖の恐怖が頭をよぎる。10kmの農道を越えると、クチョロ原野の中の道に入る。道路の右に湿原が見えてきた。エゾシカの群れも見えた。写真を撮ろうとしたらバレて逃げられた。
釧路湿原らしい気持ちいい広い道を走ると、木がジャマで若干見づらい展望台に着いた。かき分けてじっくり眺めると、かなり絶景だ。クネクネ曲がった川とひたすら広い草原。ところどころに見える沼が空の青を反射している。そのまま道沿いに下ると、今度は歩いて上っていく展望台がある。観光客もそこそこいっぱいいるし、写真も頼めそうなので休憩だ。もちろん展望台に上っていく。ここは木に囲まれることもなく眺められる。上れば上るほど、眺めがよくなり、湿原の広がりが見える。広さと川の流れの不規則さと鮮やかな緑が美しい。 ここから先は7kmほどのダートだ。運良くレンタサイクルのATBのカップルがいたので抜いては写真を撮りながら景色を眺めていると抜かれてというのを繰り返しながらすすみ、時折、写真撮影を頼む。何にしても景色が良いけど人がいないコースなので低速観光客の存在はありがたいものだ。
塘路に着いたところで、昼食だ。商店らしきものも見あたらず、とりあえず駅で駅弁を購入し、ちょっとした展望台の上で食う。せっかくだから塘路湖とかでカヌーと乗ってみようと探したが、どうもやりにくそうだし、高い。あきらめることにした。 ここからは展望台巡りでもする。塘路湖と湿原と無数の沼を見渡せる。いかにも釧路湿原らしい眺めだが、これは本州では絶対にみれない眺めだ。
あまり買い出しもできず風呂もないようなので、少し北に戻ってシラルトロ湖のキャンプ場近辺で風呂と買い出し場所を探す。買い出しだけは、どこにもない。風呂には入れた。露天風呂だがお湯が熱い!!
買い出しできないわ、少し戻らされた場所だわで、気が進まないので塘路に戻る。塘路でよく探したがやはり商店らしきものは見つからず、聞いてみたが、みんな釧路か標茶まで買い出しに行く習慣になっているようだ。
北海道まで来てパスタ(具はレトルト)というのも納得いかないが、塘路湖のキャンプ場で予備食として買っておいたパスタを茹でる。隣のテントの人に同情されたからか、焼き牡蠣とツブ貝を差し入れしてもらった。ありがとう。
とにかく蚊の多いキャンプ場で全身にかゆさを訴えながらテントに潜り眠りについた。あと1日走ると旅が終わる寂しさが胸を締め付ける。 |

コッタロ湿原 展望台
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釧路川沿いのダート
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複雑な流れの釧路川
カヌーが楽しそう
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塘路湖
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塘路湖
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8日目 |
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塘路湖 → 釧路湿原・細岡 → 釧路 |
57.64km |
2002/08/17 |
朝から霧が立ちこめる。昨日蚊に刺されまくったあとが大きく腫れてきた。最近、いいもの食い過ぎかと思ってしまったが、足より先に腹だろう。
テントを撤収していると、徐々に霧は上がってきた。湿原ぐらいなら何とか眺められるだろうか。キャンプのゴミを捨てようとゴミ箱を探したが無い。「お持ち帰りください」とのこと。有料キャンプ場なのに、そりゃねぇだろう。 |
緩いアップダウンのある道を走り、達古武のキャンプ場へ行く。ゴミも捨てたいし水も欲しいしトイレにも行きたい。国道からキャンプ場へ曲がると、左の湿原に白と黒の鳥が!!
野生のタンチョウを見つけた。遠いが、その姿は優雅だ。以前会ったバードウォッチングマニアの快感が少しだけわかったような気がした。 達古武から木道で湿原を回って細岡展望台に行けそうなので、そのルートを選ぶことにした。湿原と湖の真ん中をかき分けるような木道を走る。車道を走って展望台から眺める湿原とちがい、すぐ目の前に自然の息吹を感じる。釧路湿原は広いので木道を歩くと時間がかかりまくるのだが、割と手頃な時間で十分楽しめる。草や木や湖と遠くまで広がる湿原のコントラストがいい。
楽しい木道の走りが終わると、細岡展望台への上り坂だ。展望台へ上ると、向こうがかすむほどひたすら広い湿原。蛇行する川、無数の湖、とにかく雄大な景色が広がる。細岡展望台に住みついてるキタキツネがいたがすっかり人間になれてしまっていて、ちょっとした撮影会のような状況になっている。えさを与えているアホもいる。 ここで昼食をとり、続きのダートを走って岩保木山の頂上へ行く。ちょっとした林道かと思ってなめてかかっていたが、ほとんど登山道だ。ランドナーで突撃するのは無茶かと思ったが、楽しい。走りは楽しいが、止まった瞬間に無数のアブと蚊が集まってきて容赦なく刺しに来る。時々、足に激痛を感じながら、何とか景色を眺めて引き返す。
岩保木山を下り、釧路川の史跡の岩保木水門を見て、そこにいたザリガニ釣りをしている家族と話をして、一気に釧路市内を目指した。もう目の前だ。南に下る国道を右に曲がり、釧路駅に向けてラストスパート。 久々というより、今回の旅では最初の都会めいた景色の釧路だ。釧路市内を一気に駆け抜けて、PM5:00
釧路駅前に到着!! 社会人サイクリストとしての完走を果たした。何回やっても完走する喜びは、何にも代え難い。
駅から電話でYHを予約し、宿に移動。YHは今夜はサイクリストがいっぱいだ。新車のランドナーの群れがちょっとうらやましい。宿の近所にコインランドリーがあり、宿でほぼすべての用事が完結する。さくっと洗濯も済ませて、釧路のフィッシャーマンズワーフの方に打ち上げに行く。大学の同期も合流して、豪華な打ち上げとなった。 |

草原にタンチョウのつがい
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人に慣れて逃げないキタキツネ
触るのも餌付も厳禁
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釧路湿原 木道
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釧路湿原・細岡展望台
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9日目 |
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釧路市内 → 釧路空港 |
25.35km |
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釧路 → 羽田 |
2002/08/18 |
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羽田空港 −モノレール→ 浜松町 −山手線→ 上野−東北本線→ 宇都宮 |
これから旅が始める大学の同期、今日で終わりの俺、釧路駅で朝飯を一緒に食って、それぞれ旅立った。駅の近くの郵便局で荷物を全部送り、和商市場で土産物を買って空港に向けて出発。20kmそこそこで楽勝だ。市街地から少し離れると右に荒れ地のような釧路湿原が見えてきた。最後に北海道らしさを感じる走りをし、空港への最後の上り坂を走りきり、今年のツーリングは終了した。
飛行機に乗り、電車を乗り継ぎ、宇都宮駅前で自転車を組んで帰宅。天気が悪い悪いと言われていた今年も奇跡の晴天率で内容的には大満足な旅だった。 |

今年も完走!! 釧路空港にて |
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