0日目 |
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宇都宮 → 羽田空港駐車場 |
2019/08/08 |
開発テーマが佳境の状態で夏を迎えようとしている。何とか隙間時間を見つけて計画を立てて飛行機の予約をして段取りをしていく。20時に撤収して自宅に戻り今年は泥よけを忘れないように入念にチェックしながら自宅で輪行し車に詰め込む。輪行とシャワーと洗濯を済ませて出発する。体力の限界と言えるほど仕事が追い込まれたが、新型VEZEL RS HYBRIDのHonda SENSINGを活用すると高速道路の運転がものすごく楽だ。クルコンで速度を決めると前の車に追従してくれるし、レーンから外れないようアシストもしてくれる。こんなに楽になるものかと感動する。足回りの強化で高速道路でのキビキビ感が前期型より増している感覚がる。
夜1時頃に羽田空港に到着する。荷物の出し入れがしやすそうな枠に車を入れて、最低限の荷物だけ持ってホテルへ向かう。空港前からタクシーに乗ろうとしたら、とんでもなく並んでいる。結局、2時過ぎにやっとタクシーに乗れて寝たのは3時前となった。大混雑の原因は未だによく分からない。 |

VEZELをかっ飛ばして羽田空港へ
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真夜中の大混雑
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0日目 |
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ホテル -シャトルバス→ 羽田空港第2ターミナル |
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羽田 -ANA→ 新千歳 |
2019/08/09 |
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新千歳空港 -千歳線 快速エアポート→ 札幌
-函館本線 特急ライラック→ 旭川 -石北本線 特急大雪→ 北見 |
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北見市内 |
0.46 km |
朝8時の飛行機なので5時に起きて空港へ向かう。ホテルのシャトルバスで羽田空港にたどり着くと、情報表示板の表示で乗りたい便は2時間遅延と書いてある。何だそりゃと思いながら時間をつぶす策を考える。1000円のラウンジに行ってみるが、エアコンが全然効いて無くて居心地が悪い。早々に後にして金を払う前提でANAのラウンジに行くと、金を払っても飲み物は出ないだのプレミアムではないから云々と要するに「来るな」と言われたようなものだ。
搭乗口に行くと、対象の便の人は売店で1000円まで無料と言い始めたせいで、売店やレストランが馬鹿みたいに混み始めた。混乱が予測できないのだろうか。さらなる遅延の案内が出て、この時点で2時間半の遅れ。札幌で二条市場に行くために荷物のクロークの予約とかもしたが全部キャンセルになる。札幌も飛ぶのと降りるので待たされて、さらに30分遅れて元々の予定から3時間遅れた。
10時過ぎには札幌に着く予定だったのが昼過ぎになっている。北見へ向かう特急へ乗るための札幌の出発は15時半。二条市場で美味しい魚を買って実家に送ろうとしていたが時間が2時間ぐらいしかない。誰も来ない特急ホームの端の喫煙所の奥の看板に輪行袋を置いて鍵をかけて二条市場へ行く。歩いてもいけるがタクシーに乗って二条市場に着くと、ぎりぎり小銭が足りず1万円札で払わざるを得なくなった。すると運転手が舌打ちして「細かいのありませんかね」と言ってきた。あれば出すに決まってるだろう。最近の札幌や北海道で見受けられるのだが、基本的に何の努力もしなくても夏になると勝手に来てくれる観光客が多くて驕りが見えるところは多い。これが最近の北海道の現実である。札幌は旅として来る場所では無い。
何とか買い物を済ませて遅い昼飯にする。昼間からビールを飲んで魚を満喫する。海鮮丼とほっけとビールで楽しんで、大通公園を少し歩いて地下鉄で駅へ向かう。徐々に時間が無くなってきた。電車に乗り遅れると計画が大幅に崩れるので少し急ぐ。
慌ただしさの中、15時に札幌駅に戻り、輪行袋をピックアップして特急ライラックに乗り込む。とにかく寝て体力を回復する。旭川で特急 大雪に乗り換える。遠軽で座席の向きを変えたところで寝れなくなり、北見へ到着した。
この時点で20時と辺りは真っ暗になっている。自転車を慣れた手つきで組み立てて予約しておいたホテルへ行く。一昨年も泊まったホテルなので自転車置き場の位置も分かっているので、さっさと入れてチェックインする。今年から荷物の発送時にすでにサイドバッグやザックに荷物を詰めて整理した状態で送っているので、開梱は楽にできる。 |

羽田空港の朝
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まもなく新千歳に着陸
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札幌 二条市場で海鮮丼
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札幌のテレビ塔
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特急ライラック(札幌〜旭川)
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特急 大雪(旭川〜北見)
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北見駅に到着
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北見はカーリング一色
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ホテルで温泉に入ってさっぱりしたところで夕飯に行く。歩いてて気になった焼き肉屋に入る。北見は焼肉の街なので、焼肉というチョイスは外せない。熟成肉に拘った焼肉を満喫する。色んな部位をちょっとずつ贅沢に楽しむ。旅の初日から贅沢だが、これぐらいご褒美があっても良いだろう。
部屋に戻って疲れと酔いで爆睡する。 |

熟成肉の焼肉
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1日目 |
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北見 → 訓子府 → 陸別 |
57.03 km |
2019/08/10 |
基本的に朝は早く出たいのだが、疲れが隠せない。連休前のタフな仕事と不運が重なるタフな移動で、起きれないし体が着いてこない。ホテルで自転車に荷物をパッキングして10時半に出発する。だいぶ遅い。朝から降っていた小雨はやんでいて路面はかろうじてドライだが、全体的にじめじめした感覚だ。
今日の目標地点は陸別だが、距離はさほど無いが峠越えがある。初日のキレの無さと疲れで心配なところだ。まず、薄荷(ハッカ)資料館に立ち寄ろうとしたが、スタンプ用のノートを買ってなかったので戻る。コンビニでノートを買って再び資料館へ行く。スタンプを押して資料館を見学していく。北見のハッカの歴史を展示している。'98年の旅でも見たが今見ても新鮮な知識への驚きがある。資料館の隣にできている薄荷蒸留館も見ていく。こちらは真新しい建物だが、中には薄荷の蒸留をリアルタイムにやっている展示がある。ここで売っているアイスは北見のハッカを使ったミント味になっている。蒸留を見ながらアイスを食べていく。さわやかなハッカが美味しい。 |

北見を出発
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北見薄荷資料館
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蒸留機
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蒸留を体験。後ろにあるのが薄荷の葉
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チョコミントアイス
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資料館を見ていたら昼になってしまった。午後だけの走りで陸別まで行こうとしているのだからなめたものだ。北見から出ると飯を食うところがないので、どうしようかと思っていたら野菜中心のポップな外観のレストランがあった。立ち寄っていく。料理を頼むとサラダとかがバイキングになっている。このサラダがかなり美味しい。ポテトサラダが止まらない。メインのビーフシチューも旨味が濃厚でグリルした野菜に甘みがあって美味しい。
陸別に向けて坂を上り始める前の訓子府(くんねっぷ)を目指して走る。徐々に霧雨が出始めてきて路面はウェットになってきた。北海道らしい寒い夏という感じの天気で走って行く。訓子府まで15kmほど走ったところで休憩していく。この時点で15時と厳しい時間帯になってきた。
本格的に上り坂が始まったが、併走する高速道路が無料ということもあって車通りはほとんど無い。北海道らしい山の牧草地をグイグイと上っていく。そのさらに上を高速道路が跨いで行く。地図上ではランドマークがほとんど無くて進捗をつかみづらい北海道の僻地の峠だが、高速道路と同じぐらいの標高で接するところが峠になってそうだ。高速道路との位置関係を見てると進捗が分かる。徐々に高速が近くなり見下ろす牧場も雄大さを増してくる。天気がイマイチなので遠景は望めないが、初日から北海道らしさを味わわせてくれる。
17時に峠を越えて下り始めると、北海道らしくゆっくりと長い下り坂が続いていく。業界にいても知らなかったが、途中にいきなり日産の陸別テストコースが表れる。自動車メーカーは必ず北海道にテストコースを持って寒冷地でのテストをしているが日産のは随分な僻地にあるものだ。しかも日本最低気温を争うほどの秘境だ。どこから来ても交通の便が悪い。寒さに耐えるモードになりながら陸別を目指して下っていく。まだ夏場で日が長いので何とか明るいうちに陸別にたどり着けそうだ。
18時半に陸別へたどり着いた。まずは道の駅で情報収集をする。当てにしていたキャンプ場は今年は営業していないというのと、気温が12℃しかなくて暗くなってから寝床を探して夕飯の段取りをするのも面倒になってきた上に、体調がよろしくないので道の駅併設の宿に泊まることにした。これでシャワーも無事に浴びれる。まずはチェックインしてシャワーを浴びる。
夕飯を食べに出かける。店はそんなに多くなく選択肢は1つしか見当たらない。寿司屋さんに入る。刺身をつまみながらビールを飲んでいると、店主夫婦は移住者で3年ぐらい前に東京から来たばかりだそうで、色んな移住の話を聞いていると楽しくなってきた。刺身も拘った仕入れで酒とよく合う。すっかり夕飯を楽しんで、ホテルへ戻った。
やはり疲れは隠せず、酒が入るとあっという間に力尽きた。 |

北海道の野菜たっぷりのビーフシチュー
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美園峠
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陸別に向けて下り始める
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真夏なのに12℃
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日本最寒 陸別
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2日目 |
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陸別 → 足寄 → 上士幌 |
72.51 km |
2019/08/11 |
キャンプじゃなくて宿にするという判断が良かったのか、昨日の朝よりは疲れがマシになってきた。陸別の道の駅は鉄道駅の跡地なのだが、短区間で列車を動かす体験的な試みはしている。これがなかなかの規模で驚く。
セイコマの弁当と道の駅で買ったプリンで朝飯にしつつ鉄道ウォッチングを楽しむ。ちょうど朝ドラが北海道十勝の生活を描いた「なつぞら」を放送中ということもあって列車にはラッピングがされている。NHKの朝ドラは見てないが、なつぞら一色の十勝である。というか朝ドラの内容を旅先で知るという状態である。
陸別を出ると、しばらくは川沿いに下るような道が続いていく。下り基調の道で気持ちよく速度が稼げるので、足寄に向けてそんなに体力を消耗せずに進んでいける。疲れが取れない俺にはありがたいルートである。道の両サイドに森を見ながら、まっすぐに近い緩い下り坂が長く続いている北海道らしい道を行く。
調子が徐々に上がってきたところで、足寄の手前の愛冠(あいかっぷ)で休憩していく。駅の名前が縁起良いからか、それっぽいものが多くある。王冠の形をした駅の跡はうどん屋さんになっていて、ちょうど湧き水もわいている。ここで水を汲んでいく。ペットボトルはヴォルヴィックだが飲みきってない分は捨てて湧き水に入れ替える。何とも贅沢だ。 |

陸別のかぼちゃプリン
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道の駅は宿と旧陸別駅
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なつぞらラッピング
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旧・愛冠(あいかっぷ)駅
今は うどん屋さん
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愛冠駅の湧き水
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残り数kmという距離を走って足寄に着く。道の駅に自転車を止めて昼飯にする。十勝に来たら豚丼は欠かせないということで、豚丼にする。混んでる夏休みとあって慌ただしく客が出入りしているが、香ばしい豚肉と温かい豚汁がありがたい。足寄は北海道にしては珍しくイチゴの生産も盛んなので、ソフトクリームのイチゴ味を食べていく。既製品のではなくオリジナルのイチゴ味なので濃厚な甘酸っぱさを楽しめる。道の駅の中を見ると、松山千春一色だ。足寄出身で北海道愛が強い歌手ということで地元の尊敬は半端ではない。松山千春しばりのカラオケ大会が近日中に行われるそうだ。
道の駅を後にして上士幌へ向かう途中で、足寄動物化石博物館に立ち寄っていく。自然科学は大好きなので外せない。足寄で発掘された化石や骨格標本が展示されている。足寄が海の中だった時代のものと思われる化石が多数あって見応えがある。北海道は自然科学や考古学でも奥が深い。 |

足寄産いちごのソフトクリーム
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道の駅 足寄の豚丼
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松山千春 歌碑
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松山千春関連の展示
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旧足寄駅
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アショロアの骨格標本
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足寄動物化石博物館
アショロカズハヒゲクジラの骨格標本
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お遊びはここまでで、ここからは我慢の走りが続く。計画段階でなめてかかりすぎていたのが原因だが、思った以上に坂道が多い。足寄から足寄湖へ峠を一つ越えていく。標高差は100m程度と思われるので大したことはないのだが、いかんせんキレが戻ってこない。へとへとになりながら峠を越えて足寄湖と森を眺めながら長い坂を下って、道の駅へ寄っていく。スタンプ集めだけが目的になるほど何もない道の駅で駐車場と掘っ立て小屋しかない。すぐ近くに肉系の工場直売の産直があるが開いていない。ここで買い出しが出来るとちょうど良い流れだが惜しい。
足寄湖を過ぎて上り坂が続き、人の気配はない牧草地の道を上る。ぼちぼち日が傾いてきたが上士幌までの道は徐々に上っていく。十勝の北側の山に沿って走る道からは眺めがありそうだが天気がいまいちで遠くは見渡せない。淡々とした道をこなして、少し高台から上士幌を見下ろして坂を下る。今日の目的地は見えつつある。 |
坂を下ったところで上士幌の町についた。コンビニでひとまず休憩したところで情報収集をしてみる。キャンプ場は上士幌航空公園キャンプ場があるので、そこで決まりだろう。混雑具合と受付時間だけがやや心配なところだ。駄目と言われたら公園を探せば良いだけなので、バックアップの公園をいくつか探しておく。まずは風呂を探すと、すぐに見つかり入口でチェックした営業時間も22時まで余裕がありそうだ。キャンプ場の上士幌航空公園に行ってみると、駐車場にはいっぱい車が止まっていて熱気球が見えてきた。ちょうど祭りの最中で盛り上がりを感じる。その奥にあるキャンプ場へ下ると、駐車場は満車で人が多い。嫌な予感はしたが、受付は快く済んでテントを張る場所もありそうだ。
買い出しと風呂に出かけようとしたら上士幌バルーンフェスティバルの会場からバルーングローをやるという放送が流れたので、まずは祭りを見に行く。パイロットがバルーンに火を入れるとバルーンが明るく光って模様を映し出す。それがいくつも連なって連携している様子が美しい。火を入れすぎると飛んで行ってしまうので高度な技が必要らしいので、その辺の難しさから来る点滅や連携を見て感動する。20個近いバルーンが並んで光っている姿は感動モノである。
すっかり満足して上士幌市街地へと戻っていく。まずは温泉で風呂に入る。芋洗いの湯になってるかと思ったら意外と混雑はしてなくて快適な入浴を済ませる。買い出しをしようとしたらセイコーマートしか開いてないようなので、今日こそは生鮮食品を買って自炊という決心はあったので材料を買っていく。コンビニだが肉や野菜などの生鮮食品が手に入るのがありがたい。荷物をぶら下げてキャンプ場に戻り、夕飯を作る。ご飯を炊いて蒸らしてる間に豚の細切れを焼いてソラチの豚丼のたれをかける。少し焼き目を付けたところでご飯にのせる。地元では安い肉でも上級の豚丼になると言われているソラチのたれはさすがである。
この旅で一発目の自炊を決めて、バルーングローを見て大満足の夜である。 |

いよいよ始まる
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バーナーを点火して光る熱気球
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迫力と芸術
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圧巻 バルーングロー
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ソラチ 豚丼のたれ
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美味しく仕上がった豚丼
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3日目 |
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上士幌 → 士幌 → 音更 → 帯広 → 札内 |
60.11 km |
2019/08/12 |
今日は元気があって天気が良ければナイタイ高原牧場へ行こうと思っていたが、どう見ても天気は悪い。雨は降ってないが遠景を期待できるものではない。元気かというと疲れが未だに隠せない状態でもある。ナイタイ高原牧場まで500m近く上るルートだが今日で言うと上るコンディションにない。
そうこうしていると、上士幌バルーンフェスティバルの会場から午前中の競技の放送がかかった。朝からやや懐かしい歌がBGMに流れていてわくわくさせられる。祭りの会場に行って見ると次々にバルーンが会場の近くを通っていく。遠景が望めない空なので霧の中からすっと現れるような見た目で面白い。会場近くの目印にマーカーを落とすのだが、マーカーを投げる前にカゴの外でグルグル振り回して勢いを付けて投げるので、会場一体となって盛り上がる。女性パイロットのバルーンは声援がすごい。バルーンの非日常感も楽しいが、屋台グルメもまた独特だ。エゾシカのソーセージや十勝の小豆を使った気球の形をした気球焼きなど十勝の美食を存分に味わえる。
すっかり満喫してテントに戻り撤収する。のんびり出発する。バルーンがいっぱい舞う空を見ながら上士幌を後にする。 |

熱気球のカゴ
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上士幌航空公園キャンプ場の朝
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霧の中から現れる気球
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搭乗体験
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キャンプ場近くの川原に着陸
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十勝の美食が並ぶ
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目を引く気球焼き
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エゾシカのソーセージ
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気球焼き
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下り基調の楽な道を南下して行くと、あっという間に昼になってしまった。距離も午前中はたったの11kmとたるんだ1日になってきた。士幌の道の駅で休憩してたら産直とレストランが良い感じで大充実しているので昼飯にする。士幌牛をふんだんに使ったカレーを満喫する。夕飯の材料もここで買い込んでいく。すでに食品用のサイドバッグがパンパンになっている。
国道を南下していけば最短距離で目的地に着いてしまうが、それでは面白くないと一本西側の農道を走っていく。道自体は車が全く来ない真っ直ぐな道で楽な走りになる。景色も農場と防風林の規則正しさが良い雰囲気を出している。ただ、一つの難点は退屈で眠い。走っている間に寝てしまいそうなほど刺激がない。これで坂があってグイグイ行くところでもあれば違うし見るモノがあれば違うのだが、とにかく単調。休憩するような公園とかもないので、ひたすら走るのだが道ばたでストレッチをする。寝るわけにはいかないので体を伸ばして眠気と疲れを取る。余計に眠くなってきた。
十勝の広々とした雄大さを眠気と戦いつつ楽しんでいくと、名物の白樺並木にたどり着く。ダートの白樺並木を往復10kmほど走って展望台がある農場に行くプランもあるのだが、時間も食いそうだし遠景を望める感じではないので、入口から真っ直ぐな白樺並木を見ていくだけにする。縁石やフェンスなど構造物が何も無くて自転車を立てた状態で写真を撮れないのだが、前回の旅から投入したペダルにはめるスタンドを使ってみる。荷物なしで舗装路なら今年のGWに五色台で試したのだが、フル装備の上に下が土と砂利なので立つか不安だが試してみると、立て方にコツがいるものの何とかたった。これで記念撮影や自転車付きの映える写真が撮れるようになりそうだ。
なるべく十勝平野の外側を回り、ゴールである帯広を避けて行きたいのだが、どうしても内側の帯広へ寄ってしまう。南へ下るために十勝川を渡ろうとすると、帯広を通過点にしたときに渡った橋を通る。帯広駅まで3kmというところまで迫った。そこから東へ進路をそらして行く。明日の夜から花火大会があるからか河川敷は今日から警備が始まっている。ということは河川敷キャンプはNGということになる。その予定は無かったが少しガッカリしながら東へ進む。 |

士幌牛のカレー
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士幌のジャガイモでフライドポテト
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白樺の並木
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今日の仮の目的地である札内へ着いた。まずは風呂をチェックしに行く。札内川沿いを走って行くと見えてきた。何だか城のような形の建物だ。城の周りに掘りもあって見た目は豪華だ。営業時間をチェックしたら公園を探す。有力な候補地はいくつか簡単に見つける。候補ではないが平昌オリンピックの金メダリストの高木美帆・菜那姉妹が遊んだメダリスト記念公園というものを見つける。少し道に迷いつつコインランドリーも見つける。これで捜し物は全て終わったので、風呂に入りに行く。豪華な割に値段は高くない温泉で入浴を済ませる。コインランドリーで洗濯と乾燥しながら日記を書いて待つ。これも定番の流れになっている。
乾燥まで終わったところで公園に向かう。時間が遅くて面倒ではあるが、食材は買ってあるので自炊は必須だ。夜は雨が降るという予報が出ているので屋根のある場所を見つけて、まずは夕飯を作る。米は炊かずに道の駅で買ったキタアカリとインカのめざめの2種類のジャガイモをゆでる。水を捨てて鍋の上でコロコロと転がしながら火を入れて水を飛ばす。刻んだタマネギとキュウリを入れてマヨネーズで和えてコショウで味を締める。素材の味を生かすという目的ならかっこいいが面倒くさいのでジャガイモは形を維持したままとする。これでポテサラが完成だ。鼻に抜けるジャガイモの香りとほくほくした食感が楽しい。ポテサラをつつきながら、士幌産高秀牛をフライパンで焼く。しっかり焼き目を付けて中はレアにという鉄則を何とか具現化しながらの焼き加減ができた。和牛というより赤身がしっかりある肉なので肉の旨さや歯ごたえを楽しめる。噛みしめると出る濃厚な旨味を楽しんでいく。
片付けようとしたら霧雨が降ってきた。急いで洗い物を済ませて片付ける。屋根の下で食器を拭いて片付けが終わった。人通りも全くないところでテントを張って眠りにつく。 |

城みたいな温泉
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メダリスト記念公園
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士幌のジャガイモでポテトサラダ
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士幌牛のステーキ
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絶妙な焼き加減
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4日目 |
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札内 → 更別 → 忠類 → 大樹 → 広尾 |
89.82 km |
2019/08/13 |
旅全体の行程を考えると今日が1つ目の勝負日になる。峠とか山があるわけではないが襟裳岬へ向かう途中の広尾まで90km以上を走り抜きたい。朝早めに撤収する。昨日の安足日を経てようやく寝不足と体力が回復してきた。雨が降ってきたことはないのだが、青空も初めて見る。コンビニで朝飯を済ませてサングラスもレンズを洗って出発する。今日は強い日差しの中で南に向かうのでサングラスは必須だ。だが、昨日までに逆パンダにならない程度に目の周りや日焼けしているので安心していける。
十勝平野の中心を縦に貫く国道もあるのだが、避けて東側の道道へ行く。小刻みに坂を上って下るようなルートが続くが、その反面で向かい側の日高山脈の景色と平野の景色の抜けが良い。マイナーなルートなので車も少なく景色を楽しみながら走る。徐々に坂道がキツくなってくるがご愛敬だ。少し小高いところまで登り切ると牧場の中を真っ直ぐ進み右に平野を見下ろしていく。朝も早めに出発して午前中の走りにしっかり時間をかけているし、順調に進んでいく。今日から始まった十勝の南半分を楽しんでいく。
道道を南に走りきって国道へ合流する前に、更別にたどり着く。昨日まではどこか本調子になれないモヤモヤした走りだったが、今日の午前の快走で吹き飛ばすというか焼き尽くすというかそういう感触を得る。更別の道の駅では地元産のポテチがあったり楽しみが多い。昼飯は次の忠類まで行った方がよさげなのだが、体が暑いのでアイスを食べていく。地元産のスモモを使ったスモモとミルクのアイスを満喫する。酸っぱさとミルクの甘くてコクのあるアイスがよく合っている。 |

この旅で初めての青空の朝
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雄大な十勝平野南部
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青空と大きな畑が気持ちいい
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大きな畑と防風林
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スモモのアイス
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スモモのソーダ
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午前中で40kmを走り抜いてるし13時過ぎの忠類で50kmを走り抜けば、今日のノルマは十分に達しそうだ。更別から坂道を下ってから下り基調の国道を走っていく。1時間もかからず忠類にたどり着く。博物館と道の駅があるが、まずは道の駅で昼飯にする。忠類の意外な名物であるゆり根をふんだんに使った ゆり根づくし定食を食べていく。卵とじ、天ぷら、しんじょうが付いている。ホクッとした食感とさわやかな味と香りが楽しめる。特にかき揚げは絶品だ。水分を飛ばしたゆり根の食感がとにかく楽しい。
ゆり根を満喫し、忠類ナウマン象記念館にも寄っていく。忠類で化石を採掘した経緯やナウマン象の骨格標本が展示してある。ものすごい大きい動物で牙が立派なので迫力がある。発見の経緯や発掘を進めていく経緯が見える上に、この辺りの地形の変化も見えて見応えのある資料館である。 見るべきものはしっかり見ながらも長居しすぎないよう注意しつつ出発する。時間帯としては15時前のため悪くない。10kmほど走って後日の宿泊予定地になる大樹にたどり着く。まずは道の駅でスタンプを押して情報収集をしつつ、買い物をする。道の駅に併設されてるスーパーを見ていると、大樹産の大きな生鮭の切り身を見つける。鮭のあらも安く売っていたので買っていく。料理のイメージは付いた。天気が快晴から曇りになって気温も下がってきたので保冷バッグに入れていけば問題ないだろう。 |

ゆり根料理
かき揚げ、卵とじ、しんじょう
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忠類ナウマン象記念館
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ナウマン象の発掘標本 |
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牙の迫力が凄い
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ナウマン象の骨格標本
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大樹から広尾までの距離は25km。時刻は15時半。ペース配分は全く問題がない。しかも、この先は過去に走ったこともあるので道の具合は把握している。大した傾斜もないがえりもへ向かう一本道になるので交通量はやや多い。今日は体調が良いのでペースは上がる。平らな道にあるゆるめのアップダウンを軽くこなしながら南へと進んでいく。
まだまだ明るい17時前に広尾にたどり着く。市街地の手前にあるキャンプ場が今日の目的地だ。まずはキャンプ場へ行くため国道から海の方に曲がってみる。左に森が見えて、右には海と寂れた公園施設が見える。やや分かりにくかったキャンプ場に何とかたどり着いて受付を済ませる。1張200円と驚きの安さだ。海沿いではあるが森の中でもあるキャンプ場でテントを張っていると、藪蚊が大量に襲ってくる。まずは蚊取り線香を焚こうとしたらライターがガス欠している。体に虫除けを付けてテントを張る。それでも蚊はしつこく来る。苦戦しながらテントを張り終えて荷物の載ってないチャリで風呂へと向かう。
キャンプ場敷地内のグラベルを走っていると、やけに揺れる。舗装路に入っても揺れが続く。荷物が無くって軽くなると顕著になってきたように感じる。タイヤを空転させて見るがリムが振れているわけでもない。首をかしげながら、とりあえず風呂へ向かう。市街地へ向けて坂道を上っていく。すると小学校の前に信号がある場所に着くと、左の校庭と右の歩道にエゾシカの群れがいる。自転車を止めて写真を撮ろうとすると校庭の鹿は逃げてしまった。さすがの野生動物で動きは速く警戒心が強い。右の歩道にいた鹿の群れは立ち止まったままで動かない。しばらくして道を渡る側の信号が青に変わると、一斉に右から左へと渡り始めた。野生の鹿も信号を見てるのだろうか。
風呂にたどり着くと、ちょうど雨が降ってきた。軒下に自転車を置いて風呂に入りに行く。その間に雨は上がり、ウェットの路面をキャンプ場へと戻っていく。戻る途中のコンビニでライターを買っていく。これで蚊取り線香に火をつけれない問題がひとまず解決しそうだ。
キャンプ場に戻ったら夕飯を作る。まずはフライパンに野菜を並べて、その上に鮭の切り身を乗せる。塩コショウを振ったらアルミホイルを被せて蒸し焼きにする。アルミホイルを被せてしまうと焼き加減が分からないが、においや蒸気の出具合を見ながら感を働かせる。アルミホイルをはがして身に割れ目を入れてみるとちょうど焼けたようなのでフライパンを火から外す。次にコッフェルに水を入れてわかす。鮭のあらを入れて塩で味を付けてあくをぱっぱと取る。ジャガイモと一緒に煮てポトフ風に仕上げてみる。ジャガイモがご飯の代わりなので、これで夕飯としての形ができた。鮭は脂が乗ってる腹側と柔らかい背側の身が一体でどちらも美味しい。地物なので臭みもない。あら汁は良い出汁が出てるし、火を止めてジャガイモに吸わせた効果でジャガイモと鮭の出汁が深く絡んでいる。どちらも絶品の鮭料理に満足である。
勝負日をきっちりと走りきって明日以降に繋ぎ、満足の食材で自炊も出来て充実の1日は終わった。 |

広尾の市街地で信号待ちをするエゾシカ
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北海道限定のサッポロクラシック
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大樹産の鮭(デカい)
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ホイルをかけて蒸す
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絶妙な蒸し加減
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鮭のあらとジャガイモでポトフ風
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5日目 |
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広尾 → 百人浜 |
49.66 km |
2019/08/14 |
今日はダートの山道を登って豊似湖へ行こうかと思っていたが、天気がイマイチな上にホイールの振れが気になるので見送りにする。真っ直ぐ襟裳岬の百人浜へ行くか、その先に行くか悩むところだ。朝から自転車を点検する。するとホイール自体は真っ直ぐ回っているが、スポークのテンションにばらつきがあることに気づく。炊事場の段差にフレームを乗せてスポークを手で摘まんでテンションを確認する。やたらと緩い場所が何カ所か見つかる。これをニップルレンチで締める。ある程度のテンションまで締めたところで、それによって発生する振れを周りのニップルを締めながら修正する。極端にテンションの弱いスポークはなくなり、振れも許容レベルまで抑えたことでメンテを完了した。これでキャンプ場内のグラベルを走ってみるが地面からの入力以上の揺れは感じない。舗装路に出ると昨日とは圧倒的な違いで安定してきた。
安心はしたが暫定処置なのでダートを長距離走るのは断念した。豊似湖はハート型の地形で映えな感じなのと、もしかしたら遠目でもヒグマが見えるかという期待だったのだが、ドローンでも飛ばさないと地形を見ることは出来ない。今回は無理せずスルーだ。
ゆっくり出発し、広尾で遅めの朝ご飯を食べながら、今日の行動予定を考える。広尾にはサンタランドというのがあるので見に行くことにした。市街地から少しだけ坂を登ると山の斜面に緑と赤の家が見えてきた。海外の古き良きクリスマスと言った感じのものがいっぱい置いてある。ここを見ていても、なぜ広尾でサンタなのかよく分からなかったが、年中クリスマスだ。 |

落ち着いて眠れる海沿いの森
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広尾サンタランドの入口
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カフェとサンタグッズの販売
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サンタクロースの家
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公園全体がサンタ感を出している
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クリスマスに向けての仕込み
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広尾を出ると本格的に太平洋沿いの道で黄金道路と呼ばれているルートに出る。海沿いで雪よけと波よけの覆道がいくつも続くルートだった記憶はある。今日はやや波が高いので道に塩水が入ってきている。響く波の音にも迫力がある。2日後か3日後に台風が近づいてるというだけあって空はどんよりと曇っている。南西に向かう走りに対して東からの風に押してもらう。東からの風は天気が崩れる予兆というイメージがあり素直には喜べない。
過去に走った時はコンクリートの柱の隙間から海を見つつ波の音を聞いて走っていた覆道がほとんどだったが、今はトンネルに置き換わっている。車は多くないのでトンネルとしての緊張感は少ないが、少しつまらない道になったという印象は否めない。維持管理とか地元の人のためを考えると仕方が無いことだ。そんなトンネルの一つで北海道最長のえりも黄金トンネルにさしかかる。入口の看板に書いてる数字だと4941mもある。峠のトンネルでは無いので坂道ではないし車は多くないので淡々と走って行くのだが、いつまで経っても終わらないし進んでいかない。トンネル内には入口からの距離と出口までの距離が書いてあることが多いが、この数字が変わった気がしない。向こう側に出口の光が見えると達成感というか喜びが出てくる。 |

台風が近づいて波が高い
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打ち寄せる白波の迫力がある
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北海道最長 えりも黄金トンネルへ入る
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4.9kmのトンネルは全国でも屈指
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とにかく長かった・・・
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黄金道路を走りきったところの展望台
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何だかさっぱりした道になってしまった黄金道路を走り抜けると、百人浜に行くまでの最後の集落に着いた。ここで夕飯の買い出しをする。おそらく最後と思われる商店で買い物をするが品揃えは貧弱だ。賞味期限が近い魚肉ソーセージを買って行こうとすると、店主が売るのを渋る。お金も無事に払えて買ったのだがサイドバッグに詰めようとすると「何か起きたら困るから返して欲しい」と言われてしまい、何も手に入らずに終わった。店主にはこの先にもう1軒あるということを聞いたので次に期待する。
確かにラインナップが充実している店が先の方にあった。肉とか野菜とか豆腐とか生鮮食品もあるし、カップ麺などのインスタントもある。俺は使わないがBBQ用の炭やジンギスカン用のアルミ鍋もある。冷凍のジンギスカン用の肉を買う。今回は漬け込みのではなく生肉を焼いてたれにつけて食べるタイプでいく。北海道で人気のベルのたれを買う。荷物がどんどん増えていく。瓶に入った調味料を追加してしまう。
吹きさらしで風が強い百人浜に入る。右には木が生えていない日高山脈の低い山が見えて左には広い草原と海が見える。過去にもこの景色に感動したが、今回も初見のように感動する。前に見える広がりのある景色を楽しみながら草原の真ん中を駆け抜ける道を走る。斜め後ろから吹き付けてくる風を追い風にしながら進んでいき、キャンプ場到着まで余裕のある走りになる。右に曲がればキャンプ場にいける分岐をスルーして展望台を目指す。1kmほど走ると展望台への入口にたどり着いた。自転車を置いて展望台へ歩くが、持ってるタオルが吹き飛ばされそうなほど風が強い。展望台の階段を上って頂上に行くと、周りが360度見渡せる。草原に低い山に海に池に変化に富んだ景色である。だが、この草地は一度は開拓時に完全に家畜に食われて枯れたのを復元したものだ。時間はかかっても人間の力でここまでは取り返せるものだと考えると、人類はまだまだやることがあると思う。
北緯42度線を跨ぐ百人浜でモニュメントで写真を撮ったらキャンプ場へ向かう。向かい風に耐えながら来た道を1kmほど戻り、ちょっとした坂を登って走るとキャンプ場を見つけた。過去にも泊まった事があるが、こんなに入り組んでいた印象は無い。16時前にはついて受付を済ませる。明るいうちに芝生の上にテントを張り、今回は張り綱にもペグを打ち込んで固定する。テントを張り終えたら、歩いて行ける場所にある風呂に入りに行く。風呂から出たところで19時となった。
テントの前のベンチで夕飯を作る。まずはご飯を炊く。蒸らしてる間にフライパンでジンギスカンを作る。薄切りのラム肉を先に焼いて出た脂でモヤシやエノキや豆腐を焼く。ベルのたれはさっぱりしていて、どんな具にも合いそうだ。ラム肉はもちろん合うしさっぱりいけるので、いくらでも食えてしまう。力強い肉の味だけでなく淡泊でさっぱりしたモヤシやエノキなどの野菜にもよく合う。北海道で愛されるのが分かる味だ。普通のサイクルツーリストは荷物を1gでも軽くしたいのに、瓶入りの液体調味料を容赦なく買う俺を冷静に振り返ると馬鹿だなと思いながらも、ジンギスカンを満喫する。
少し蒸し暑い風になってきたし、風も強い。天気予報では明後日の夜間に台風が北海道へ直撃しながら通り過ぎる。明後日が旅の成否を決める山場でもあり体力や体調だけでなく気象の問題による通行止めも怖いところだ。色々と不安に感じながら眠りにつく。 |

百人浜を貫通する道
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襟裳岬に降りてくる日高山脈と
百人浜の草原 |

悲恋沼と山脈
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百人浜展望台
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北緯42度線
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初めてのタレあとづけジンギスカン
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ベルの成吉思汗のたれ
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さっぱりして美味しいジンギスカン
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6日目 |
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百人浜 → 襟裳岬 → アポイ岳 |
42.33 km |
2019/08/15 |
朝は珍しく作る。コッフェルでお湯を沸かして北海道の名物である焼きそば弁当というカップ焼きそばを作る。作り方は本州でも売ってる焼きそばと同じだ。お湯を沸かしてカップへ入れる。シェラに付け合わせの中華スープの粉を入れる。お湯きりをするときのお湯でスープを作り、麺にソースとかやくを絡めて食べる。北海道のカップ焼きそばを北海道で食うと何故か美味く感じる。200円ちょっとのカップ焼きそばが五臓六腑に染み渡る。
キャンプ場を出て海の方へ向かって走ると、昨日の展望台の前に出た。実は至近距離にキャンプ場があったのだ。百人浜を引き続き南に向かって走り襟裳岬へと向かう。もう岬までは10km弱というところだ。岬へ向かうにつれて海からの風が強くなってくる。風に押し流されて倒れそうだ。姿勢を低くして坂に耐えながら坂を登って襟裳岬に着いた。風に倒されずに自転車を置ける場所を探して置いて、見物に行く。 |

百人浜キャンプ場
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北海道のカップ焼きそば
焼きそば弁当
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焼きそば弁当の汁で中華スープも作る
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前回に来た時は旅をしながら本を売っているおじさんと話し込み過ぎてあまり観光できなかったので今回は腰を据えて一人でのんびりと回りたい。岬から海を眺める展望施設があるので、まずはそこに入る。有料ではあるが風もしのげてムービーも見れて襟裳岬の自然についての展示物も楽しめる。そして望遠鏡で沖にいるアザラシを見れる。望遠鏡で野生生物を見るのは、まずどこにいるか見つけるところから始まる。普段だと裸眼の視力が1.6以上あるので肉眼でどの辺か探して詳細を望遠鏡で見るというやり方で探しているが、今回は肉眼では全く見つからない。仕方なく望遠鏡でトライすると、最初から岩場の辺りを向いている。もしかしてアザラシ?という岩の塊を見つけるも分からない。じっくり見てるとやっと手が動いた。岩場でごろごろして動かないので気づくのが大変だ。1頭は顔が見えたのでやっとアザラシを確認できた。最初からアザラシの方向を向いていたのでラッキーだと思ったら職員のお姉さんが来ておいてある望遠鏡の向きを全部合わせて戻っていった。
風の館を出て岬の遊歩道を歩く。俺の体重で言うのもなんだが、強い風に飛ばされそうだ。階段を降りて岬に向かうと前から横から強い風が吹き荒れてて姿勢を崩すレベルにはある。何とか岬の先端まで行き、前半戦の目標である襟裳岬への到達を果たした。XXX最南端とかそういうのではない岬だが、何だか達成感や最果て感を感じる。遊歩道を歩いて灯台や周りの崖を一通り見て歩いて自転車に戻る。地元の自転車乗りの人と話をしたら、明日からの台風の中でせっかくの休みだから走ろうとしているストイックなメンバーに引っ張られて走ろうとしているとのことだが、この台風には困ったものだ。 |

襟裳岬の展望台
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襟裳岬 風の館
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窓越しに見る襟裳岬
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望遠鏡でのぞくとアザラシが見える
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岬の先端へ歩く道
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襟裳岬
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強い風が吹き荒れる草原
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襟裳岬灯台
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岬を出ると北上する道になるが、やや向かい風だが押し倒されそうな横風で恐怖感と苦痛が両方来る。こういうコンディションが悪いときの方が強みを発揮している旅だ。経験が浅いと走ることすらできないだろうか。力のかけ方と抜き方を心得ながら走って行くが、若いときにさほど感じなかったアップダウンが強烈に感じる。横風と上れないアップと下りが恐ろしいダウンに苦しめられる。苦戦しながら進むも北へ上がれば上がるほど右にある山の標高が高くなるので風を遮ってくれる。徐々に横風からの呪縛は解かれていく。 えりもの市街地に入ったところで北緯42度線で記念撮影して昼飯にする。毎度お気に入りのセイコマホットシェフだ。店の表で座って豚丼の蓋を開けると蓋が風で飛ばされる。慌てて広いに行って事なきをえる。半熟卵がのった絶品の豚丼を平らげてガラナを飲んでいるとガラナの缶も風で飛ばされる。また慌てて拾う。コンビニの向かいにある資料館へ行く。えりも郷土資料館ほろいずみ 水産の館と2つ楽しめる。しかも無料だ。水産資料館がかなり面白く、えりもの昆布漁や魚介類の生態を展示している。昆布の資料館は実際の大きさの昆布や昆布漁の年間の活動が展示してあり見応えがある。
昼飯と資料館の見学を終えて今日というか今回の旅の重要な経由地であるアポイ岳を目指す。ビジターセンターの開いてる17時までには到着して見学も済ませないといけない。日本三○○とか地域の4極とか最高地点とか峠とか気になって立ち寄っている場所はあるのだが、最近は世界ジオパーク認定されている場所に興味がある。地学的な厳しさが走りの楽しさを生んでいたり独特の生態系を生み出す元になっていたり奥が深い。日高の西側にもアポイ岳という世界ジオパークがある。
行ける見通しは十分にあるので気を抜かずに飛ばしていく。今日は天気予報では曇か雨といってたが何と奇跡的に空は青く晴れてきた。アポイ岳に上る道の手前までの海岸沿いは過去に走ったことがある道なので気は楽だ。横風が収まってきて追い風になってきた。だが、左の海は波が高い。所々で道路に水しぶきがかかっている。覆道の中では波の轟音が響いている。海無し県民の俺としてはビビるレベルの波だ。テトラポッドとかもなく岸壁に直接打ち付けて来ている。台風が近いから波が高くなってきているのだろう。跳ねた水で錆びるのも嫌だし、今日は無いと思うが越波で通行止めにでもなったら最悪だ。 |

襟裳岬から西に回り
再び北緯42度線を越える
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北緯42度
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セイコマの豚丼
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襟裳 水産資料館
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日高昆布
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色々と悩みながら走ったが、アポイ岳への上り坂の入口まで無事に走りきった。この時点で15時。ビジターセンターは標高100m程度なので仮に1時間かかっても16時。何とかなりそうだ。坂を上るもセンターのローギアで十分に上れていく。途中で不思議な形の山が正面に見えてくる。山頂まできっちり見えているアポイ岳だろう。自転車と山の写真を撮っておく。今日じゃないと明日は天気が荒れるので見える可能性はゼロに近い。しばらく走ると右側にキャンプ場が見えて左側に温泉が見えてくる。坂道をじりじりと上り詰めると立派な建物が見えてきた。この時点で15時45分。見学には十分な時間を確保できた。
ビジターセンターでアポイ岳の成り立ちや自然を学ぶ。プレート境界で押し合ってせり上がった日高山脈と、その活動でマントルがせり上がってむき出しになって出来たアポイ岳ということで地球の営みが感じられる。生物も固有種の宝庫で、希少なエゾナキウサギもいる。2000m級の山が連なる日高山脈にして標高800m程度の低山だが高山植物も多い。いつかは上ってみたい山の一つではあるが、今のところはサイクリングと登山の連携は出来ていない。ありとあらゆるところを鍛え直さないと無理だが、自転車で車道を上って歩いて山頂へ行くという旅にもあこがれている。そんな甘い考えを拒否するかのようにヒグマの目撃情報が登山ルート上に相次いでいて今日も1件報告されている状態だ。
アポイ岳から坂を下って10km程度海沿いを走ったところにある親子岩キャンプ場まで行くか、ここで一泊するか迷った結果、ここでの一泊を選んだ。10kmはこなしておいた方が明日の峠越えが楽になるのだが、なんとなくアポイ岳の非日常に惹かれるところがある。受付を済ませてキャンプ場へ自転車で行く。自転車を押して炊事場の裏に止めて荷物を下ろす。今日も明るいうちにテントを張る働き方改革を実践しながら準備を済ませる。台風が迫っているので風対策は十分にする。
テントを張ったら温泉へ行く。森の中を抜ける階段を上がって宿へ行き日帰り入浴をする。今日は天気がよくアポイ岳の山頂までの景色と眼下には太平洋が広がっている。かなりの絶景だ。風呂からも太平洋が見渡せて気持ちよく露天風呂を満喫する。露天風呂から上がったらまさかの晴天で火照った体を冷やすソフトクリームとエスプレッソのアフォガートを満喫する。
すっかり暗くなった森の階段を降りてテントへ戻り夕飯にする。今日は買い出しらしい買い出しは何もしていないので手持ちの非常食で夕飯を作る。陸別で買ってきたレトルトのカレーにする。慣れた様子で飯を炊いて、鹿キーマメカレーと鹿チーズカレーにする。エゾシカの癖のある肉の味をカレーで上手くまとめている。前にジンギスカンを食べた時は悶絶する臭さだったが良い味になっている。
夏の北海道にしては生ぬるい風が吹いていて蒸し暑い。テントの前室と後室をメッシュにして風が抜けるようにするが、台風が来るはずなので雨に気づけるようメッシュの前に顔と足が来るように斜めに寝る。明日の勝負に備えて眠りについた。 |

アポイ岳を望む
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アポイ岳ビジターセンター
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 アポイ岳ビジターセンター
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夕暮れのアポイ岳
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アフォガート
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陸別 えびすカボチャのポタージュスープ
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エゾシカのカレー
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エゾシカのキーマメカレー
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7日目 |
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アポイ岳 → 浦河 → 天馬街道 → 大樹 |
83.63 km |
2019/08/16 |
夜中に雨が降ること無く、朝の5時に目が覚めた。今日は500m越えの峠と90kmの道のりがある地獄のようなコースだ。テントを片付けていると、さーっと雨が降ってきた。「あー とうとう来たか」と渋い表情で屋根のある炊事場に荷物を避難させていると雨はすぐにやんだ。急いでパッキングを済ませて7時前に出発する。ドライ路面の坂道を海に向かって下るが今日はアポイ岳は全く見えない。
海沿いは昨日以上に波の高さが上がっているように見える。沖の方は白波が立っていて波打ち際の轟音は昨日以上の迫力である。岸壁に打ち付けた波が道路に跳ねてくる状況も昨日と同じぐらいである。しかし、驚くことに昆布漁は普通に波打ち際で行われていて陸揚げしている。海無し県民だとビビる波だが昆布漁師からすると普通なのだろうか。逞しく思いながら昆布に感謝したい。
様似まで走ったところでセイコマで朝飯にする。今日の昼飯にするパンも買ってサイドバッグへ詰める。少し走って日高本線の終点 様似駅を見ていく。途中の線路が崩壊して復旧の見通しがなく廃止が決定しているため、二度と来ることの無い列車に思いを馳せる。
また5kmほど走ると親子岩にたどり着く。岩と海と砂浜があってキャンプ場になっている。お盆はものすごく混雑するキャンプ場らしいが、さすがに閑散としている。寝ていると波の轟音が凄そうだ。風呂がなくてシャワーのみだが、16時までに済ませろと書いてある。使えないキャンプ場だったので来なくて正解だった。こういう情報を正確に共有できるサイトなりサービスがないものだろうかと思う。 |

アポイ岳キャンプ場の朝
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太平洋で昆布漁
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様似駅
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もう列車の来ることが無い様似駅の線路
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日高本線の終端
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親子岩 まだ波は穏やか
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今日越えようとしている天馬街道の分岐にある資料館に立ち寄る。日本でも珍しい馬事資料館だ。入口には立派な優駿の門が立っている。浦河出身の馬の栄光の歴史が飾られている。シンザンは剥製が展示してある。物心ついた頃に初めて馬の名前を聞いて記憶に残るので知っている馬は割と最近で浦河の馬でいうとオグリキャップ、ナリタブライアンあたりからだ。競馬に使う道具や馬の生態なども展示してあって興味深い。
浦河から内陸へと切り込んで行く。川沿いに走って徐々に標高を上げて行く。じりじりと上る道にも慣れている。競走馬の牧場が左右に広がっている。道沿いの馬たちを見ながら楽しく走って行く。この先に厳しい現実があるので、今は楽しんでいく。途中の展望台にも立ち寄って走って来た牧場沿いの道と牧場を見下ろす。長い上り坂ではあるが今日は蒸し暑いので水分の消費が激しい。500mlのペットボトルがすでに空になる。途中あった自販機でスポーツドリンクを買う。金を入れてボタンを押すが出てこない。売り切れとは書いていない。仕方なくお茶を選んでもう1回買ってみると出てきた。これがこの峠で最後の自販機となる。 しばらく牧場も人の家もない坂道を上った感覚で走って行くと、牧場と集落に出た。遠くに標高を書いた看板が見えてきた。俺の感覚では300mぐらい上っただろうと思って数字を見ると、何とたったの100m。精神的にぼっこしへこまされる。蒸し暑いし坂道もじりじり上ってるし消耗は激しいのだが、大して進んでない。最大で500m強と考えると、まだ5分の1以下…。さすがに真面目に走らないとやばいと力を入れ直す。ここからはテンポ良く坂を上るものの迫ってくる台風と蒸し暑さに苦しめられる。そして途中からは雨が降ってきた。いよいよかとレインウェアを着込む。頼むから下り切るまでは通行止めレベルの雨はやめてくれと願いながらペースを上げていく。 |

馬事資料館 優駿の門
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馬事資料館
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馬車
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名馬ヒンドスタン
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浦河の牧場 サラブレッド
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牧場を通る道
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しかし標高200mの看板もなかなか出てこない。地図で等高線を越える位置から考えて、そろそろかというところでトイレと道路情報が見れる建物が出てきた。そこで一度休憩にする。ここで買っておいたパンを食べて水を飲み過ぎないように気をつけていく。とにかく餌として昼飯を補充して、また雨の中を上っていく。すぐに200mの看板が出てきたが、「まだ200かよ」というのが感想だ。ここから徐々に傾斜が急になってくる。もう牧場の景色では無く日高の森を抜けていくような景色に変わっている。降ったりやんだりを繰り返す雨の中を意外と力強く上っていく。やはりピンチとかコンディションの悪いところで強みを発揮するベテランだろう。
標高400mを越えたところで、いよいよいつ終わるんだろうという期待感が出てくる。同時に道路のパトロールをする車に追い越されたりすれ違ったりする頻度が増えてきた。大雨を警戒しているのだろうが、まだ大丈夫そうだ。体力も限界になりつつあり、ペットボトルの水も残り200mlも無いと思われるタイミングで、やっと峠の前の公園が見えてきた。地図では湧き水があると書いてあるので、ここで補給出来れば御の字だ。逆に補給出来ないと下り坂とは言え40km以上もある道をわずかな水でしのがないといけない。夏の峠越えは合計2Lでは厳しいのだろうか。北海道の気温だと問題なかった事が多のだが、今回は湿度が高く蒸し暑いので状況がだいぶ違う。
やっと休憩して湧き水を汲むところを見ると「工事中」と書いてある。Ooops! 強気で200mlの水を飲み干してたら死んでるところだった。水を我慢して体の疲れを取るべく休憩する。疲れが落ち着いたところで、また走り出す。陸橋を走り眼下には深い谷を見下ろす景色が続く。そして標高500mの看板がついに出てきた。もう峠は近い。だが、峠の最後はトンネルだ。ネットで見る限り、こっちからは上り坂でトンネル内を走ることになりそうだ。水も200mlしかない。ピンチが続く。
峠と思われる野塚(のづか)トンネルにたどり着いた。かつて北海道最長だったトンネルは4232mもある。峠の上り坂トンネルで4000mは地獄としか思えない。わくわく感とげんなり感がある。トンネルの前で水を半分飲む。車の通行量が激しく少ないので恐怖感や緊張感はほぼ無いがトンネルへ入っていく。坂は大して感じないが徐々に上っている。だが、それより何よりトンネルの中が強烈に寒い。外の蒸し暑さとのギャップでそう感じるのか本当に気温が低いのか判断に迷うところだが、手の先も冷えるし息も白い。真夏の峠は何本も越えてるし標高1000m以上のトンネルもいっぱい走ったが、この寒さは過去に経験がない。トンネル内には入口からの距離と出口までの距離が定期的に記されているが、これも変わっていく感じがしない。黄金道路のトンネルを思い出すレベルだが、上り坂でスピードが上がらないから余計に長く感じる。しかも、この寒さだ。体も冷え切ってきたと思った時にトンネルの終わりが見えてきた。トンネルの出口で下り坂に入り出口を抜けた。
標高585mの野塚峠を越えたところで、この旅で最大の山場を乗り越えたことになる。下りのことや水のことを考えると余裕はないが一安心ではある。下り坂もかなり長いが北海道らしく緩く長い坂が続くと、走りとしては助かるところだ。気温が日高側と十勝側で違っていてトンネルを抜けても寒いが、雨はやんでいるのでレインウェアは脱いでいく。ブレーキを確かめたら下り坂にトライする。上ってきた日高側より急に感じる坂が続いていく。カーブも鋭く覆道の中を下る緊張感ある場面も続く。路面はウェットなので対向車線側には膨らまないようコントロールしていく。 |

大雨通行止めの前に走りきる
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天馬街道 標高500m
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かつての北海道最長 野塚トンネル
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ここも4km越えのトンネル
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標高が下がっていくと道は緩やかに下っていく。この流れになるとパワーを使わなくても自転車は進んでいくので楽だ。広がる森の中を真っ直ぐに下る峠を楽しんでいく。下り坂に入って10km近く走ったところで傾斜も平地に近くなってきた。牧場が並ぶ景色になってきたところで、右カーブの左側に赤いものが見える。俺にはコカコーラの自販機に見える。徐々に距離を詰めて行くとコカコーラ確定だ。僻地にぽつんとある自販機なので稼働してるのか心配なところだが自販機の光に虫が集まっていてアクティブ感はある。壊れてる自販機から50km以上あって峠越えも含む僻地でオアシスだ。早速コーラ500mlを1本買ってがぶ飲みする。水分、甘み、炭酸ののどごしコーラがここまで美味く感じることはないだろう。残りの距離から500mlペットボトルのお茶を1本買っていけば大丈夫だろう。ボトルケージにさして空のボトルをつぶしてフロントバッグに詰め込んで続きの走りに出る。 |

生き返るコカコーラ自販機
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国道をトレースするとかなりの遠回りで農道を抜けていくと10km近くショートカットできるように地図上では見えるが、曲がるポイントが分からない。あんまりマイナーな道に入って迷ったらピンチになりそうなエリアなので、慎重にならざるを得ない。Googleマップで見ても曲がるポイントは近いと言ってるのだが遠くまで続く道があるように見えない。普通に行ってしまうと90km越えの1日なので、遠回りはしたくないところだが迷ったら余計に困る。悩ましい思いをしながら走ってると雨が本格的に降ってきた。今日の目的地である大樹までを考えたら通行止めになるリスクは無さそうだが、雨からは逃げ切れなかった。だが、走行中の雨は今回の旅では今日だけだ。ここまで天気がもったことを感謝する。
本降りになってきた雨の中を走っていると、「大樹」と書いてある農道への分岐に着いた。何本かある農道ショートカットのうち1つだと思われるが標識があるなら間違いないので突っ込んでいく。ひたすら続くトウモロコシ畑の真ん中を豪快に貫く直線路だ。晴れてる日に走ったらもの凄く気持ちが良いと思われる。土砂降りの雨で目をパチパチさせながら前だけに集中して走って行くしかないのがもったいない。車は全くと言っても良いほど来ない道で直線なので気持ちよく飛ばしていく。アップダウンもほどほどに出てきたが、下りは豪快にノーブレーキで走って横から車が来ないかだけ気にしながら突っ込んで勢いで上る。最後だけちょっとペダリングを足せば坂を登り切り、また同じように下って上る。野塚峠から下り基調なので登り返しの方が量が少なく負荷がゼロに近い感じで進む。
途中で少しワインディングを上って下るのが出てきたところで、マップ上のどこを走ってるのかようやく一致した。もう大樹は近いはずだ。しばらくすると国道に道がぶつかる。ここまで来れば終わりは見えてきた。土砂降りの雨なので早く暗くなる国道をひたすら走って大樹を目指していく。徐々に住宅も増えてきた。18時半にやっと道の駅にたどり着いた。一度、建物で雨宿りしながら今日予約していたホテルを調べる。大樹は温泉などの公衆浴場が無いし野塚峠から下ったあとでこれ以上走れるとは思えなかったので事前にホテルを予約しておいたのだ。この判断は本当に好判断と言える。しかもホテルで泊まってる間に台風が過ぎて明日は晴れるという予報だ。キャンプで台風が過ぎるのを待つことを考えたらぞっとする。 |
道の駅からさほど離れて無くて一本道と分かったので、確信を持ってホテルへ向かう。すると、やたらおしゃれなホテルが見えてきた。軒先で柱の陰ということで雨に打たれない場所に自転車を入れて、まずはチェックインする。予約も無事に有効で一泊を確保できた。サイドバッグから洗濯物と着替えと充電セットと風呂セットを出して部屋へ行く。雨と汗でずぶ濡れの体を風呂で洗ってさっぱりする。時間帯で男女交代制なのでとにかく巻きで入る。それでも湯船で体を温める時間が十分に取れた。ホテルの洗濯機に汚れ物を突っ込んで洗濯する。雨の中を走った後で洗濯すると、何か衣類と一緒に気分や天気の悪い状態が一新するようで気持ちが良い。験担ぎのような使い方をしている。
乾燥機に衣類を入れたところで、夕飯を食べに行く。雨は少し小降りになっている。居酒屋か焼肉屋しか見当たらなかったが、今日は焼肉に行く。精肉店直営と思われる焼肉屋に入る。ラム肉がとんでもなく美味しい。今日のタフな走りで疲れた体に染み渡る。大満足で焼肉屋を出ると土砂降りの雨が降っている。レインウェアを着込んで雨の中を歩いてホテルへ帰る。乾燥機から衣類を取り出して、部屋に入ったら力尽きるように眠りについた。 |

タフな峠を越えて渾身の一杯
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焼肉
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ラム肉を満喫
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8日目 |
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大樹 → 中札内 |
61.28 km |
2019/08/17 |
次の朝は窓の外は晴れ間が見えている。北海道で大きな被害は特に出ていないようで、台風はすでに通り過ぎて温帯低気圧に変わっている。ネットで調べると道内で一番多い雨が降ったのは昨日越えた峠の日高側だったようだ。夜間は雨で通行止めだったようだ。半日違ったら通行止めになっていて大幅に計画は狂って完走は不可能だった可能性が高い。ほっと一安心してホテルの朝ご飯を頬張る。窓からは虹が見えている。大雨の後の晴れということだからか大きく立派な虹である。
大きな山場でピンチを乗り切ったこともあり気が抜けた出発となる。10時過ぎまで出発はずれ込んだ。普通に行けば40km程度なのだが、どう遠回りして体験価値を得るかが今日のポイントでもある。まずは、大樹にある牧場直営の店に行ってみる。開店は11時なので、のんびりと出る。しかし、ほんの少しの距離でももの凄く暑くてへばる。台風が過ぎた影響で気温は上がりまくっているようだ。
へとへとになりながら半田ファームにたどり着いた。チーズがおすすめで焼きたてピザや手作りチーズケーキがおすすめになっている。今日の夜のために保冷バッグに入れるチーズをまず買う。イートインするつもりはなかったのだが、チーズケーキが美味しそうなので頼んでしまう。ミルクのコクが強く効いてて濃厚で美味しい。誘惑に勝てず店の外のソフトクリームもいってしまう。暑い日にぴったりなソフトクリームに冷やされて、ミルクの濃厚な味を満喫する。 |

台風一過の空 虹が出る
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珠玉の朝ご飯
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ホテル大樹
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半田ファーム
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半田ファームの絶品チーズケーキ
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半田ファームのソフトクリーム
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十勝平野の日高山脈寄りの道を北上していく。ここも誰も来ない。歴舟川の清流を見ながらのんびり走れるのかと思いきや何も見えない単調な道を走って10kmほど北上する。たまに蛇行する歴舟川が見えるが、昨夜の台風の影響で濁流になっていて本来の清流感はない。そのまま北上すると最短距離で今日の目的に地に辿り着いてしまうが、何も買い出ししてない状態で今日の目的地に入ってしまう。それもつまらないので、カムイコタンで一度西へ折れる。
ここからがかなり楽しい道に入ってしまう。十勝の神髄と思えるほど雄大な農道だ。右を見ると大樹方面に下り傾斜の牧場や畑がどこまでも広がっている。後ろを振り返れば日高山脈が並んでいる。広々とした北海道を味わうなら十勝が良いと改めて思わせるような牧場の真ん中の道を走っていき、更別まで走る。単調ではありながらも暑さに曝された上に、ここまで店が1軒もなかったので、やっと遅い昼飯と同時に今日2度目の冷却だ。昼飯とカップに入った氷にガラナを買って、氷でキンキンにガラナを冷やす。しかもイートインがあるセイコマなのでエアコンの効果も存分に満喫する。
やっと暑さと空腹から立ち直って中札内へ向かう。交通量が多めの道だが淡々と走って16時半には着く。ここからキャンプ場まで20kmのやや上り坂という状況だ。道の駅とスーパーで買い出しをする。午前中にチーズを買っているので、酒はワインが欲しくなる。そうなるとパスタなんかが主食に欲しくなる。そんな流れを考えながら、また満タンのオリーブオイルが荷物に追加される。これから上り坂だというのに液体物で重量を増していく自分は冷静に考えれば馬鹿だ。
買い物を終えた時点で17時。20kmの上り坂を最悪2時間で上るとして19時で日が暮れてしまう。地図で見る限りは日高の秘境に入っていくルートなので、なるべく早くこなしておきたい。西日を受けて影が長くなると焦りを感じ始める。ジリジリと上る真っ直ぐな坂道で距離を稼いでいく。今日の目的地は中札内静内線と言われる日高を横断する道道になる予定だったが工事の打ち切りが決定したルートの途中である。当然、ほぼ誰も通ることのない道だ。 |

台風一過で快晴
十勝の大平原
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十勝を見下ろす高台
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ガラナをキンキンに冷やす
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この先は繋がってませんと書かれた標識は定期的に見るのだが、15km先通行止めと書いてある。キャンプ場までの距離より短い。キャンプ場手前で通行止めだと、ナイトランでかなりの距離を戻ってこないといけない。さすがにそれは避けたいし、通行止めなら宿の計画を見直したいので、途中で立ち止まりながらネットで情報を調べたりするが詳しいことは分からない。また5kmほど走ると通行止めの予告が出てきた。一度立ち止まっていると地元の人が車ですれ違い、話しかけてくれた。「この辺はしょっちゅうヒグマが出るから気をつけて」と言われたついでに通行止めのことを聞いてみるとキャンプ場までは行けるとのことだった。心から感謝しながら車を見送った。
そうとなれば頑張るだけだ。さすがに走ってる道の至近距離で出るとひとたまりもないが、遠目になら見てみたいというのもある。徐々に暗くなっていく車も人もほとんど通らない道を上っていき、通行止めの予告があった地点まで来たらゲートは開いていた。悪天候の時に閉めるのだろう。
完全に真っ暗になった19時になって、中札内ダムを過ぎてやっと右側の川の向こうにキャンプの明かりがちらほら見えてきた。右に曲がって渡る橋が見えて何とか目的地である中札内園地の日高山脈山岳センターに辿り着いた。20時までならシャワーも浴びれるので一安心だ。受付にいってシャワーを借りる。今日は暑くて最後が上り坂だったと言うこともあり汗だくなので、こんな秘境でのシャワーは本当に助かる。真っ暗な道を進んでキャンプ場に行く。サイトはテントがいっぱい並んでいて夏らしく賑わっている。広場の外側に沿ってテントを張っている人が多いので、俺も並びにしておく。 |
テントを張って荷物を入れたら夕飯を作る。今日は気合いが入っている。フライパンでパスタのソースを作る。オリーブオイルにニンニクを入れて香りを移して、地元のアスパラとトマトとソーセージを焼いてトマトソースを作る。次にコッフェルでお湯を沸かしてパスタを茹でる。その間にチーズを切ってコッフェルのふたに並べる。まずは十勝ワインを飲みながらチーズとソーセージで晩酌を楽しむ。少し癖のあるチーズの香りがワインと良く合う。柔らかくてなめらかなカマンベールも良い。パスタが茹で上がったらソースとあえて最後にチーズを散らす。これもトマトのフレッシュさが残ったソースと肉の味とチーズがよく合う。かなり良い形で晩餐が仕上がった。空を見ると満天の星空が広がっている。日高の山奥で街の明かりが遠いからか空は澄んでいる。十勝の幸を満喫しながら星を眺めてキャンプ最後の夜としては最高の形で終わる。
最後にガスを使い切るまでお湯を沸かし続けて、熊の生息地なのでゴミは臭いが残るものは全て洗って片付けて眠りにつく。 |

この旅 最後のキャンプ晩餐
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十勝ワインと半田ファームのチーズと
中札内のソーセージ
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夏野菜とフレッシュトマトとチーズのパスタ
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9日目 |
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中札内 → 帯広 |
53.95 km |
2019/08/18 |
朝は霧が出て結露していたので、のんびりと撤収する。日が出たところでテントを乾かしてパッキングしていく。炊事場でペットボトルに水を汲んでいると栃木県から車で旅をしている人と話をする。キャンプとか渓流釣りとか色んな楽しみをもった人が集まるキャンプ場なので話は面白い。
見送られながらキャンプ場を後にして、日高山脈山岳センターを見に行く。日高山脈の自然について紹介している。遭難した人の話が中心となっていて日高山脈の自然の厳しさを余すこと無く示している。館内のホワイトボードには熊の出没情報が出ているが、ほぼ毎週といったぐらいの頻度で道路や登山道で出まくっている。これが日高のリアルな状況だ。日高の厳しさは熊だけでなく、川、山、雪崩 いろんな試練があり、登山としては上級者でないとアタックできないカムエクことカムイエクウチカウシ山へのアプローチとしてのこの場所で気を引き締めていくのだろう。北海道の自然や野生生物に興味を持つと必ず見ることになる福岡大学ワンダーフォーゲル部遭難事件の経緯が分かる。驚いたことに、そのときのヒグマが剥製になって展示してある。
ちょっと気を引き締めたところで、昨夜は真っ暗で見えなかったピョウタンの滝を見る。中札内ダムが崩壊して出来た滝で不思議な形をしている。大きな岩の脇を水が流れ落ちている。元々のダムの形も残されている。不思議な滝を見終えて中札内へと下っていく。昨日は割と元気よく上ってきた道だが、下ってみると結構な傾斜である。旅の終盤になると体のキレが出てくるものだ。というかキレが出てきた頃には旅が終わるというのが最近の自分だろう。気持ちよく20km続く坂道を下って中札内まで戻ってきた。 |

中札内園地 最後の朝
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日高山脈 山岳センター
日高の自然を展示
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日高山脈縦走の装備
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遭難者の遺品
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福岡大学ワンダーフォーゲル同好会
獣害事件のヒグマ剥製
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ピョウタンの滝
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道の駅で昼飯を食べる。十勝の豚肉と鶏肉で腹を満たしていく。キャンプ場からずっと持ってるゴミを持てあます。中札内は徹底してゴミ箱がない。最近の北海道はとにかくゴミを持って走らされることが多い。そこに何かのニーズやビジネスモデルが存在すると思うのだが妙案はない。ゴミを捨てれない店や自販機では購入しないということになるだけだ。道の駅の横にある豆の資料館へ立ち寄る。豆についての体験や知識を得られる資料館で、ざるの上で豆を転がすと波の音がするとか十勝で生産されている豆の品種なんかも見れる。電話をかけると受話器越しに料理のレシピを教えてくれたり、少し笑える内容も盛り込んである。
続いて、六花の森へ向かう道の途中で十勝フロマージュに寄っていく。今夜は自炊しないのでチーズを買うことは無いのだが、十勝小豆のジェラートとカマンベールのジェラートをWにして食べていく。小豆の自然な甘さとチーズのコクが楽しめる。300mほど走ったところで六花の森へ入る。自転車に鍵をかけようとしたら行方不明になっている。目立たないところに自転車を隠して見物に行く。森の中に美術館がある。作家別に離れになっていて建物そのもので世界観を作っている。森や川を見て花を見たあとで作家の世界観に入って行く演出が良い。六花亭の包装紙の柄をデザインされた坂本直之氏のところが見応えがある。自然の優しさと強さを感じるデザインだ。カフェに立ち寄り、ここでしか食べられない焼きたてのバターサンドとチーズケーキで六花亭の味を楽しんで、宅配だからと強気で爆買いしていく。 |

豚丼と中札内名物の枝豆
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絶品の唐揚げ
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豆資料館(ビーンズ邸)
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豆のレシピ
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豆問屋の歴史
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電話するとレシピを教えてくれる
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十勝野フロマージュ
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十勝あずきとカマンベールチーズのジェラート
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六花の森 庭園
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広々として川が流れる
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動物をかたどった石像
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川の中に鮭の石像
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庭園の中に美術館がある
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六花亭の包み紙のデザイン
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六花の森 ロッカフェ
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できたてバターサンドとチーズケーキ
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キャンプ場をのんびり出過ぎたこともあり、六花の森が奥深くて長い時間いたこともあり、この時点で既に16時半。もっとぐるっと回って帯広に向かおうと思ったが、真っ直ぐ行っても30km近くある。もうゴールに向かうしか無いだろう。もっと走りたかったが、十分に楽しみ尽くした感もある。
ラストスパートとばかり国道を一直線に帯広に向かう。ちょうど下り基調だったのでペースは落ちること無く調子よく走って行く。徐々に暗くはなっていくが、道は広々として走りやすいし追い越していく車から追い風をもらいながら進むので調子は良い。前に来た愛国駅・幸福駅の前を通り過ぎた。ここまで来れば過去に走った道になるので気楽だ。さすがに愛の国から幸福へのやつは2回行くところでもないので、気持ちよくスルーしてペースを上げていく。帯広市内での駐輪を考えて自転車の鍵を手に入れておきたいと思っていたらホームセンターのスーパーコメリがあった。閉店まで時間がないので、さっと買っていく。これで安心できる。 |
道が都会めいて帯広市街地へ入って行く。もうすっかり暗くなってしまったが、線路を越えて駅の方へと曲がる。日が暮れて人もまばらな帯広駅前に到着し、今年の夏の旅も無事に完走して終了した。特に終盤の持ってきた山場を越えた喜びもあり達成感がある旅となった。予約しておいたホテルの場所を確認し、帯広の街を走る。連休最終日の日曜と言うこともあって開いてる店の数が少なく人も少ない。よく言えば落ち着いてるし、悪くいわば閑散としてる。
ホテルにチェックインして自転車をどこに置けるか聞いてみるとロビー内に置かせてもらえた。サイドバッグから洗濯物と着替えを出して部屋へと上がる。コインランドリーで洗濯しながら大浴場で風呂に入る。一旦、部屋でくつろいでから、乾燥機に洗濯物を移してから飲みに出かける。開いている店自体が限られている中で探す。帯広には屋台横町のようなものもあるので見に行くが、どうも入りづらそうだ。見つけた居酒屋に入る。肉や野菜やチーズ中心の十勝の里の幸を満喫し、普段あまり飲まない赤ワインで酔って旅の完走を一人で祝う。今日は客が少なくて静かなので居心地が良い。
すっかり十勝の幸を満喫したところでホテルに戻り、洗濯物を引き取って力尽きるように眠りについた。 |

今年も完走。
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11日目 |
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帯広市内 |
7.93 km |
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帯広 -根室本線・千歳線 特急スーパー十勝 → 南千歳 → 新千歳空港 |
2019/08/19 |
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新千歳 → 羽田 |
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羽田空港 → 宇都宮 |
朝起きて帰りの準備に入る。ヤマト運輸の営業所に行き、店の前で段ボールへ荷物を詰め込んでいく。これも慣れた作業でてきぱきと済ませていく。11時には発送が完了し、身軽になった自転車で帯広競馬場へ行く。ばんえい競馬を見てみたい。駐輪場に自転車を置いて、まずは資料館を見る。ばんえい競馬の歴史や引っ張っているソリの実物などが見れる。資料館を見たら競馬場を見に行く。ばんえい競馬だけでなくJRAの馬券全般を扱っているので、どこか柄の悪い雰囲気も出ている。レース開催中では無いのでばんえい競馬のコースがよく見える。砂利が敷いてあって山を乗り越える形になっている。砂が散らないように散水車がいっきに水をまいている様子も壮観だ。
コースを見たら裏にある馬小屋に行く。競走馬が飼われている。今まで見た馬の中では青森の寒立馬(かんだちめ)と同じか、それより大きいぐらいの馬で迫力がある。だが、大きい体で器が大きいのか、全体的におとなしい。エサをもらいながら子供に頭をなでられてる姿は微笑ましい。 |

ばんえい競馬のそり
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道産子の歴史
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スタートのゲート
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ゴール
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砂利に水をまく
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帯広競馬場のスタンド
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大迫力だが気が優しい
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人懐っこくて可愛い
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とにかく大きくてパワー重視
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昼飯を食べるところを探しながら帯広駅前に戻り、帯広市民に愛されているインディアンカレーで飯にする。少し行列で待たされるほど人気の店だ。味は素朴でタマネギの甘みとスパイスが美味しい。丁寧に作られてる印象がある味は飽きない。帯広で愛されているのが分かるようなカレー店だ。
千歳空港までの切符はすでに買ってあるので、最後に六花亭本店に寄っていく。地図で見た場所を何度走っても見つからない。外観がおしゃれ過ぎて六花亭の本店に気付かなかった。さすがと思うほどおしゃれな建物に驚く。爆買いは六花の森で済んでるので、イートイン中心に組み立てる。バターサンドのアイスは本店でしか味わえないものだ。コーヒーと一緒に楽しんだ。
もう思い残すことは無い。帯広駅前で自転車をばらして輪行袋に詰め込む。手慣れたものでさっさと詰め込んだら、ホームへ向かう。少し遅れて到着した特急おおぞらに乗り込む。
この路線から見る車窓は気に入っている。雄大な十勝平野や日高の原生林を眺めながら千歳へと向かう。南千歳から帯広へ向かう特急からの車窓は鉄道の旅も含む中でお気に入りの景色の一つになりつつある。列車の中で日記を書いていると、南千歳へ着く。すぐに快速エアポートに乗り換えて新千歳空港へと向かって行く。 |

おしゃれな店
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フルにかける帯広インディアンカレー
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六花亭本店
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マルセイバターサンドのアイス
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チョコに挟まれたチーズクリーム
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ラッピングされた普通列車
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思い残すことは無く撤収
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特急おおぞら
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今回は車で羽田空港まで来たので帰りの電車の時間とか混み具合とかそういう問題からは解放されているので気楽だ。新千歳空港でお土産を買ったところで、まだ時間が少し余ったので夕飯にする。前から話題になっていた鮮魚店の中の鮨が気になっていたが閉店時間だった。松尾ジンギスカンで最後の夕飯を楽しんで行く。北海道らしい食でうっかりビールを頼んでしまわないよう気をつけながら満喫したところで、チェックインゲートへ向かう。
搭乗時刻が来て飛行機に乗り込むと徐々に現実へ引き戻されていく。飛行機の中でも日記を書き続けているうちに羽田へ到着した。荷物を受け取ってカートに載せたまま駐車場へ向かう。車での輪行は何だかんだで楽だ。あらかじめ左のドアが全開できそうな柱脇の場所を確保していたので、楽に自転車を載せていく。カート置き場にカートだけ戻して、後席の足下に置いていた靴に履き替える。
この時点で22時半で気合いを入れて運転していく。走り出してすぐに高速に入ってHonda SENSINGのACCとLKASをONにする。ぐぐぐっとステアリングを持って行かれる感じに未だに違和感はありながらも使っていくと高速の運転が楽になる。首都高速を抜けて東北自動車道になると速度も上がって単調になるので、支援はより助かる。走り慣れた高速を飛ばして自宅へと近づいて行く。駐車場代とか考えると割高ではあるが、最終日の仕事が立て込んでも飛行機が遅れても問題ないし楽なのには代えがたい。慣れた道を進んで鹿沼ICで降りて自宅へと帰り着いたところで、2019年夏の旅は完全に終了した。 |

松尾ジンギスカン 新千歳空港
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ラムチョップ
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