ここからは壮絶な向かい風との闘いとなってきた。調子よく龍之輔氏とtake氏が先頭を引いていたものの、徐々にペースが落ちてきた。必然的に先頭は俺に交代していく。強い風をまともに受けるのではなく、多少交わしながらギアを落として回転数で進んでいく。引いてやりつつ、列を作って進んでいく。
向かい風の中で先頭なので俺自身も結構きつかったが徐々に差がついてきた。昨年はアップダウン連続の中で上り坂を選んで前の自転車にアタックをかけ続けてパワーの差。北遠レギュラーコースでは長い上り坂でのトルクの差。そしてタイトなダウンヒルでのコントロール。今回は強烈な向かい風や横風との付き合い方。やや意地悪だが、だてに10年やってないので、こういうところぐらい経験の差を見せておきたい。うちのチームメンバー以外も、この風には相当苦戦しているようだ。何しろウィンドサーファーが風強すぎて沖に出ないほどの風ですから。 |

浜名湖沿いのサイクリングロード。
ほんとに湖岸直近。 |
そして、いよいよ三ヶ日に到着。俺の腹の燃料警告灯が点灯し、他のメンバーも風にやられてヘトヘトになったところで、昼食が支給された。みそ汁が入っていてもカップが飛ばされそうな風の中、飯にする。メニューはウナギのおにぎり、アサリのおにぎり
どちらも浜名湖の名産だ。青海苔のみそ汁。唐揚げとゆで卵でタンパク質と塩分を補給し、最後はお新香でさっぱりとしめる組み立てが見事な弁当である。
しばらく、いろんなチャリを見物しながら休憩してみるがアレックスモールトンとリカンベントの集団が居る以外は目立った見所もない。いっぱい居すぎて
これというチャリが見あたらないのもまた事実。ママチャリで頑張ってる老人や子供アシスト付きのタンデムなどのおもしろい自転車は今年は居ないようだ。あとから振り返ってもサイクリスト達とのコミュニケーションが足りない感は否めない。 |

昼食のお弁当。浜名湖の美味 満載。 |
take氏の先輩達は先に出て行った。今回の大会で最大の山場といえる峠を迎え撃つ。ウナギのトイレを過ぎて右折すると、強烈な向かい風が襲いかかってきた。大会の参加者か不明だが、ランドナーのリアサイドバッグとフロントバッグをつけて走る一人の女性が居たので、思わず親指を立てて振り向きながら「がんばれ」と笑顔で声をかけて追い越す、女性サイクリストに甘いぐっさん。であった。荷物満載でこのコースに挑むのか、どこかを一人で旅しようとしているランドナー乗りなのか、どちらにしても心から応援したくなるサイクリストである。
ここで史上最悪の体のできの俺の真骨頂である。龍之輔氏とtake氏とnori氏にあっさりとちぎられる。体のできはイマイチだが、ロードの軽快さを楽しみながら上っていく。上れば上るほど展望の開けてくる峠が気持ちいい。100m強の標高なので、割とあっさりと登り切る。 |

最大の山場の途中からの眺め |
そして、下りは徹底的に攻めまくる…。と言いたいところだが、傾斜以上の向かい風にやられる。実質とばせたのは最後だけだった。それでもアウターに入れてガシガシと踏みまくる。MAX
59.3km/hというスピードは若干物足りない。
東へと下る道は一時的に追い風を背中から受ける。みんなレベルの高い走りを見せながら駆け抜けていく。みんな待ちこがれた追い風に乗って快調に走っていく。そして、第4チェックポイントに到着。ヨットハーバーのわきの公園。去年と同じ場所だ。去年はここを過ぎると次はゴールだったのだが、国道1号の難所
潮見坂の上にチェックポイントが追加されたので、もう一がんばり必要である。そこでまたまた補給食が出る。カロリーメートゼリー。去年はゆで卵と牛乳というサイクリング大会補給食にニューウェーブを起こしたここだが、満腹気味の俺たちに、さらに栄養をとのことだろう。 |

ヨットハーバーを眺める公園で |
ここからは追い風だ!そう信じ続けて走ること50kmを過ぎてきたが、今度は立派な横風という感じである。ここからは湖沿いの道ではなくなり、内陸の畑というか風通しの良い丘の中を走っていく。というより風に耐えながら上っていくという感じである。緩くアップダウンしながら徐々に上がっていく、ぐっさんのもっとも嫌いなタイプの上り坂である。ダラダラと上る坂の途中でスズキの湖西工場を眺める。モータープールにある大量のスズキ
SWIFTに萌えながら萎えながら上っていく。もはやギャグは出ない。会話もなくアタックもせず上っていくだけとなってきた。登り切ると展望台が見えてきた。とりあえず休憩である。風と坂に参ってきた。
そんな疲労を少し取ってくれるような、海の眺めが気持ちいい。眼下に見えているのは国道1号の潮見坂と遠州灘である。相変わらず強い風に煽られて白波が立っている。 |

潮見坂の眺め。遠州灘が気持ちいい。 |
そんな休憩ポイントから300mほど走ると、チェックポイント白須賀がある。ここの補給食は何が出るのか。俺たちは頭をひねった。去年のようにゆで卵とかあるのだろうか。それとも
ウナギパイかスッポンサブレーか。何かみんなクッキーのような茶色い楕円形のものを持っている。なんとなんとメンチカツと牛乳である。予想の斜め上をいくような補給食である。どうせなら昼食に出してほしいところだったが、湖西市の豚肉を三ヶ日で出すわけに行かないというプライドがあったのだろう。強風に煽られながら平らげた。でも、豚肉もジューシィでうまい。しかし、もう満腹である。サイクリング大会だが、お腹いっぱいとなってゴールへ向けて出発した。
チェックポイントを出ると、いきなり急な下り坂である。そしてカーブにエスティマとパトカー。どうやら事故発生のようだった。残念ながら大会参加者か?
慣れてないと、少し危なくコントロールの利かないほどの坂だ。気をつけて下りたいものだ。 |

メンチカツと牛乳。満腹です。ごちそうさま。 |